YouTube(ユーチューブ)など大手動画投稿サイトの赤字拡大が指摘されるなか、同サイトの対抗馬として立ち上がった米マイクロソフト(MS社)のサイトが閉鎖されることが明らかになった。国内に目を転じても、ニコニコ動画やzoome(ズーミー)はビジネスモデルを構築できないままだ。動画投稿サイトはジリ貧なのだろうか。
マイクロソフトは「CGM型」動画サイトから撤退
MS社の動画投稿サイト「MSN Soapbox」(MSNソープボックス)は、同社がユーチューブの対抗馬として06年9月に試験版(ベータ版)を公開し、07年に正式オープン。それが3年も経たないうちに撤退に追い込まれる形となった。MS社が複数の米メディアに対して明らかにしたところによると、09年7月29日にビデオ投稿の受付を終了し、8月31日にサイトが閉鎖される予定だ。日本語版ソープボックスのサイトでも、「8月31日 機能提供終了」という表示がされている。
MS社は、米メディアに対して
「オンラインビデオは、MSNの主要部分であり続ける。厳しい経済情勢の中でも経営目標を注視しながら、消費者にすばらしい体験を提供することを目指したい」
とコメント。利用者投稿型(CGM)ではない動画配信サイトは存続させる意向だ。
オバマ大統領が選挙でユーチューブを活用するなど動画投稿サイトの存在感は増しているが、ビジネス的には、09年に入ってからも全般的に低調な状態が続いている。例えば、クレディ・スイスの試算によれば、ユーチューブは09年だけで4億7000万ドル(468億円)の赤字になる見通しだ。回線・サーバーなどのインフラコストが、広告などの収入を上回っているのが原因だ。