預金者はペイオフ気にしない?
インターネット専業銀行の金利が高いことはよく知られている。オリックス信託銀行の「eダイレクト預金」の1年ものは年0.9%、3年ものでは年1.10%となっている。
「年1%」の金利が並ぶなかで、住信SBIネット銀行の1年ものは年0.51%と低い。それでも三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行などと比べると2倍以上なのだから、取引の動機づけには十分だ。
ちなみに、住信SBIネット銀行の場合は普通預金の金利でも年0.1%をつけていて、0.03~0.05%のメガバンクとの差は歴然としている。
世界的な金融危機で株価が乱高下したことで、運用環境が整うまで様子見を決め込む個人投資家が、しばらく預けているケースもある。大ヤケドを負った投資家にとって、安心運用の定期預金は傷が癒えるまでの避難場所だ。
一方、増加傾向にあるとはいえ、定期預金の預入期間は、「すぐに引き出せるように、短くなっています」(地銀関係者)。投資信託との分散投資も浸透してきて、多額をまとめて預け入れる人も減ってきた。
ペイオフが発動された場合、経営破たんした銀行に預けている人は1000万円とその利息しか戻ってこないが、そんな心配をする人はあまりないようだ。
メガバンクの、ある関係者は「もう、あの時(失われた10年)のことなどすっかり忘れていますよ。預金者はtoo big to fail(大きすぎて潰せない)ということを知ってしまった。それが安心感につながって、再び銀行の不倒神話を信じるようになってきた」と話す。預金者も過去の経験から学んでいるようだ。