総選挙を意識して、党内亀裂避ける?
新聞各紙などによると、民主党内の保守派が、世論の反対なども考慮して、在日韓国人らは帰化して日本国籍を取得すべきなどとマニフェスト記載に抵抗している。鳩山代表らは、総選挙を意識して、党内の亀裂を避けるべきだと、記載に慎重になっているというのだ。
参政権を求める運動を16年も続けている在日本大韓民国民団中央本部では、民主党のマニフェストについて、「特に聞いていません」としてこう話す。
「民主党で論議することで、うちでどうこう言うことではありません。参政権に賛同してくれる議員を応援しているだけで、それはどこの政党でもよいということです」
永住外国人の地方参政権については、1995年の最高裁判決に基づいて議論されている。総務省の選挙課によると、判決では、永住資格があっても外国籍のままでは憲法上、国政参政権は許容できないとしたが、地方参政権について傍論で言及。憲法上は禁止されているとは言えないとして、許容するかは国の立法政策の問題だとしている。
民主党では、98年の結党時に、地方参政権付与を基本政策に盛り込んだ。そして、同年と2000年に付与を認める法案を国会に提出している。08年2月には、当時の小沢一郎代表が、韓国の李明博次期大統領に実現への努力を約束し、同年6月には党内に検討委員会まで設置した。しかし、鳩山代表になってからは、09年6月5日に行った李大統領との会談では、参政権付与についての言及は避けている。
なお、自民党では、今回の総選挙でも、地方参政権付与を公約する方向にはないようだ。同党の情報調査局では、「付与を検討する可能性はあります。しかし、国民固有の権利ですので、憲法上、疑義があるということです。国と地方を分けるのもおかしい点があります。また、韓国では、2012年から在外国民にも本国の参政権を認めていますので、なぜ日本の選挙にも参加するのかということも議論になっています」と話している。