日本では2人しかいないプロ選手の1人
協会によると、同大会でアジア人選手が優勝するのは初めて。日本の競技人口は10万人ほどと言われ、90年代初頭ごろから毎年20名ほどが参加している。初級クラス、中級クラスなどでは好成績を出しているが、望月さんが優勝したチャンピオンシップでは中々勝てなかった。
望月さんは1979年生まれの30歳。日本では2人しかいないプロ選手の1人だ。高校時代は将棋部に所属し、プロになるために早稲田大学を中退した。バックギャモンの強豪、アメリカやデンマークで武者修行をし、海外の著名な大会での優勝経験も豊富だ。「mochy(モッチー)」の愛称で呼ばれ、現在世界ランクは6位。
「望月の強さは、ゲームの奥にある真理を目指しているところにあります」
優勝の瞬間、会場にいた協会代表の下平憲治さんはそう話す。望月さんは勝ち負けよりも「いい試合をしたい」というストイックな気持ちで戦っており、試合中も冷静。大一番に強く、危ないシーンもしっかりこなすという。また、海外遠征経験豊富で世界的プレイヤーにも知り合いが多く、会場でも望月さんを応援する声が多かったとのことだ。
望月さんはプロ選手として活躍する傍ら、母校の麻布高校のバックギャモン部で後輩の指導も行っており、下平さんも
「今回の望月の優勝をきっかけに、若い人にも積極的に世界を目指してプレイしてもらえばと思います」
と話している。