「人には親切」「ウソはつかない」 京大が子供のモラル向上で提言

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「小さなころから染み込ませられる」

   確かに、学校内暴力や援助交際など、子どもたちのモラル低下がよく指摘される。

   実際、文科省の調査によると、小学校での生徒間暴力が2007年度は、前年度より45%も増えて全国で2933件にも達している。また、日本青少年研究所の調べによると、「先生や親に反抗するのは本人の自由」という高校生の回答が、04年発表では5割強もあり、アメリカの3割や中国・韓国の1~2割より多い。

   同研究所の調べでは、小学生にウソをつくなとよく言う親は、07年発表では2割と、中国・韓国の4割前後と比べて低い。勉強しなさいとよく言う親は3割と、両国の3~5割より少なくなっている。

   親のしつけが悪くなっているのは事実のようだ。だとしても、教育現場が肩代わりすることなどできるのか。

   これに対して、京大の研究委員会の西村和雄委員長は、次のように説明する。

「すべての問題を考えるのは難しいですが、基本モラルはたった4つです。繰り返し言うのも難しくなく、小さなころから染み込ませられるでしょう。最低限のモラルを身につけたうえで、様々な問題について考えればよいわけです。イデオロギーや宗教にからまないように、重要なコア部分だけを押さえる必要があったのも、4つにした理由です」

   大学自身も、集団強姦事件など学生のモラル低下に直面している。西村委員長は、これについては、「基本モラルが身についていれば、行動に歯止めがかかるはずです。モラルとは、知らずに身を律するものであるからです」と言う。

   ネット上では、子どもは大人の鏡だとして、まず大人が変わるべきとの指摘が多い。西村委員長は、「大人も、子どもには4つのモラルが大切と認識するようになれば、変わってくるでしょう。まずモラルを共有すること自体がきっかけになるはずです」と話している。

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