捨てるのはもったいないという意識が後押し
衣服裁縫修理業の市場規模は1127億7600万円(総務省04年サービス業基本調査)。不況下で節約志向が高まるなかで注目を集め、成長が期待されている。
さらに、日本リ・ファッション推進委員会という団体も立ち上がった。
消費者、商品を提供する業界関係者、服飾の専門家などが集い、洋服のお直しを広める目的で作られた。「お直し(0704)の日」を設定し、09年7月4日に23社・団体が集まりワークショップ形式の体験型イベントを開催。約800人が来場し、若い女性も多く訪れた。
「自分でリメイクしたい」女性が通う、お直しの学校もある。
リフォーム・リメイクの技術が学べるスクール「魔法の裁縫箱」は大阪・梅田と東京・渋谷で開校している。最近はリメイクブームもあって、入学者が増えているそうだ。
生徒数は梅田、渋谷とも各100人程度。梅田は20歳代後半から30歳代の主婦が多いのに対し、渋谷では20歳代の若い女性も挑戦している。
運営しているのは、輸入古着のリメイクを行っているアイ・アンド・アイ(大阪府枚方市)。梅田校マネージャーの川端未希子さんは、
「自分や子どもの服を直したいという動機で学ばれる方が多いようです。生徒さんのなかにはリメイクしたものをホームページやオークションで売ったり、名刺を作って営業活動をして、近所の人から仕事を請け負っている人もいます」
といい、女性が結婚しても家で続けられる仕事として注目が高まっている。
リメイクブームは今後も拡大するとみている。不況下で節約志向が根付いていること以外に、こんな理由もある。
「環境問題への関心が高まり、捨てるのはもったいないという意識が広がっていますが、服についても同じことが言えます。それに加えて、他人と同じ服を着るのを好まない若者が増えているというのもあります」