スイーツ(洋菓子)の食べ放題が人気を呼んでいる。予約が1ヶ月先まで取れない店まで現れた。主婦やOLだけでなく、男性客も増えている。合コンの1次会、といった利用も人気だそうだ。
今、予約しても1ヶ月待ちという超人気
「パン パシフィック 横浜ベイホテル東急」2階のラウンジ「ソマーハウス」では、毎週木・金曜日の19:30~22:30に、スイーツ食べ放題が行われている。09年7月2日~9 月25日まで行われているイベントでは、バニラ、キャラメルなどのアイスクリームに、マンゴー・ラズベリーなどのシャーベット、合わせて12 種類のフレーバーで作られた12層の「アイスクリームタワー」が登場。今、予約しても1ヶ月待ちという超人気だ。
料金は一人3150円(6~12 歳は1995円)。制限時間はなくケーキ8 種類のほか各種デザート、カットフルーツ、オープンサンドなどの軽食があり、フリードリンク制だ。スイーツ食べ放題を始めたのは2002年から。当時はスイーツ食べ放題という企画は珍しかったが、夜にゆったりした気分で思い思いのスイーツを味わえることが評判になり、予約でいっぱいになった。「アイスクリームタワー」は08年に初めて出したが、評判が高く、2009年夏も実施した。
スイーツは洋菓子のことだが、7~8年前に従来のケーキやプリン、ムースなどに新しいデザイン、装飾を施したものが脚光を浴び、パティシエブームが起こったことが、スイーツファンを拡大させるきっかけになった。
03年にはスイーツのテーマパーク「自由が丘スイーツフォレスト」が東京にオープン。会社帰りのOLやサラリーマンが立ち寄り、身近な存在になっていった。そして08年頃から食べ放題のスイーツ店が全国的に増えていく。
東京立川にある「エミリーフローゲ」が食べ放題を始めたのは4~5年前から。今は毎月 第2・第4木曜の18:00~からと19:30からの2回行っている。制限時間は80分で、ドリンク付2600円。店で通常売られている380~400円のケーキが食べ放題だ。20人で一杯になる店だが、食べ放題の日はいつも満席。予約をしなければ入れない。
お腹いっぱい食べると十分に元が取れる
東京都江戸川区の「FOUR SEASONS CAFE(フォーシーズンズカフェ)」は、09年春から、毎週火曜日と「雨の日」に食べ放題を始めた。オーダーを受けた後に作る焼立てのワッフルやパフェ、サンドイッチがうり。飲み物も付いて120分で女性が2200円。男性は3200円。400円追加すればケーキが食べ放題になる。通常のランチも出していることから、食べ放題の火曜日は、30分から1時間待たなければならない行列ができる人気店になっている。
こうした食べ放題の店の場合、初めは主婦のファンが付き、20代、30代のOL層に広がっていった。最近ではサラリーマンや大学生の男性客が増えている。
しかし、これほどの人気になっているのはなぜだろうか。
都内に住む20代のOLは、
「甘いものに満たされたい、と思うときがある。食べるとストレス発散にもなります」
と打ち明ける。普段も自宅にケーキを買って帰ることもあるのだが、1つ400円前後。いつも行く食べ放題の店が2000円程だそうで、お腹いっぱい食べると十分に元が取れる、というのも魅力だそうだ。
都内の男子大学生は、
「合コンする場合に女の子にねだられて、一次会はスイーツの食べ放題に行く機会が増えた」
と話す。合コンの一次会といえば、居酒屋や、焼き肉などが考えられるが、最近の大学生は酒を好まなかったり、食事の好き嫌いがあったりするため、参加者の誰もが納得できるような店を探すのに苦労した。スイーツの食べ放題ならば異論は少ない。サンドイッチなどの軽食を置いているところも多く、お腹いっぱい食べられる。そういうこともあって、スイーツの食べ放題の店はとても重宝する存在なのだそうだ。