毎年夏に開催される徳島の一大イベント、阿波踊りをPRするため、徳島市観光協会がアニメキャラクターを大きく使用したポスターを制作した。ところが、ネットオークションに出品され、中には9万円以上の高値で落札されるものもあった。盗まれた可能性もあり、観光協会も「想定外」の事態に困惑している。
以前も「盗難」に遭った人気アニメ
「美―、徳島阿波おどり」という文字と共に、アニメ柄の浴衣姿の女性キャラクターが大きくあしらわれたポスター。徳島市観光協会が2009年8月12日から15日にかけて同市内で開催される阿波踊りをPRするために制作した。市では毎年、通常の写真ポスターを作成しているが、09年度は若者にもPRするため、協会が独自にアニメポスターを企画した。
キャラクターはアニメ映画「空(から)の境界」に登場する人物。市内にスタジオを持つアニメ制作会社・ユーフォーテーブルがデザインした。「空の境界」は同人小説を原作とした作品で、07年からアニメ化。08年には、展示会で、ショーケースに入っていた原画が盗まれる被害にあっている。
ポスターは600枚プリントし、6月下旬から商店街やJR四国の主要駅などに配った。観光協会によると、これまでに確認されている盗難枚数は4枚。いずれも公園に貼ってあったものだという。
裏側に汚れがあり、はがしたもの?
現在までに確認できた限りでは、2枚がヤフーオークションに出品されている。どちらも開始時の価格は数千円だったが、1枚は9日に8万3000円で落札され、もう1枚は14日に9万3000円で落札された。両方とも商品発送元が徳島県になっているので、県内の誰かが出品していると見られる。
協会は、出品されているものが盗まれたものなのか、関係者が流出させたものかは分からないとしている。だが、オークションの商品説明書きには「新品ですが、もとから角にシワがありました。裏側にもよく見ないと判らないくらいの汚れは有ります」とあり、担当者は
「裏側が汚れているということは、貼ってあったものを盗んだということかも知れません。話題になるのは嬉しいですが、このような事態になるとは思っていませんでした。問題ですね」
と話している。