「デキ婚」が多発中  新婦の3、4割が「妊娠」 

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   俳優の佐藤隆太さん(29)の「デキ婚」の話題がメディアを賑わせている。もっとも、これは芸能人だけの話ではなく、ウエディング会社によると、新婦の3、4割が妊娠しているそうだ。今や「デキ婚」など当たり前の時代だ。

厚生労働省の調査では26.8%が結婚前にできた子ども

   俳優の佐藤隆太さんは2009年7月14日に記者会見を開き、23歳の一般女性と結婚すると報告した。佐藤さんは最近まで婚活を題材にしたフジテレビ系ドラマ「婚カツ!」に出演していた。また、婚約者はすでに妊娠しているという。

   子どもができた後に結婚することを、「できちゃった結婚」とか、短くして「デキ婚」という。最近では元モーニング娘。の辻希美さん、同グループでリーダーを務めた飯田圭織さん、元女優のダルビッシュ紗栄子さん、ダウンタウンの松本人志さんなどの例がある。

   厚生労働省「07年人口動態統計」によると、婚姻関係にある男女から生まれた第1子は50万7276人だった。このうち結婚期間が「9カ月以下」で生まれたのは13万6271人で、全体に占める割合は26.8%だ。妊娠期間はおよそ10カ月なので、結婚前にできた子どもと推測できる。

   妊娠中の新婦も増えている。

   ファーストアドバンテージ(東京都港区)ウエディング事業部「LADIRB(ラディーブ)」の杉浦泰治さんは、

「最近では妊娠中の新婦が全体の3割を占めると思います」

と明かす。

   兵庫県のウエディング会社デコルテも「新婦の4割が妊娠している」と話していて、珍しいものではなくなっている。

ブライダル業界では「おめでた婚」「授かり婚」「エンジェル婚」

   デキ婚が市民権を得つつあるが、避妊のミスで子どもができちゃった、というネガティブなイメージもある。そこでブライダル業界では数年前から、「おめでた婚」「授かり婚」「エンジェル婚」などと言い始めている。

   「デキ婚」をサポートするサービスをしているLADIRBでは「ママ」と「マリッジ(結婚)」を組み合わせて、「ママリッジ」と呼んでいる。結婚情報誌「ゼクシイ」(リクルート)では「ダブルハッピー婚」と呼んでいる。結婚と赤ちゃんを授かったことで、2つの幸せ(ハッピー)という意味だ。

   リクルート広報部ゼクシイ担当者は、

「式を挙げても入籍しない事実婚などのようにカップルの形が多様化していて、できちゃった結婚もその1つとして認知されるようになっています。引け目を感じているカップルはほとんどいません。その一方で、デキ婚という悪いイメージのある言い方が残っていてギャップがあるので、新しい名前で数年前から呼んでいます」

と説明する。

   妊婦専用の結婚式プランを用意している式場も増えている。

「お腹周りがゆったりとした作りのドレスを用意したり、階段やちょっとした段差がない会場もあり、環境を整えています。つわりで突然吐いてしまうこともあるので、新婦の前のテーブルの下にバケツを置いたり、スタッフが飲み物やタオルをその都度差し出す体制にしているところもあります。今では(妊婦のウエディングが)結婚式のプランの1つになっています」
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