民主党候補に「特異現象」 「マスコミ出身者」20人超える

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   衆院解散が約1週間後にも行われることが決定的となり、事実上の選挙戦がスタートした。そんな中、各党が公認した候補者の「ある傾向」に注目が集まっている。候補者のプロフィールを調べてみると、民主党候補の20人以上が「マスコミ出身者」。自民党の候補者に占める割合に比べて、明らかに高い。なぜ、このような現象が起こるのだろうか。

産経新聞、読売新聞、テレビ朝日など幅広い

   480ある議席を争う衆院選で、注目点のひとつが、その「出自」。各候補者が公開しているプロフィールを見ていくと、意外なことが明らかになった。自民党は、地方議会議員や官僚の出身者が多いのに対し、民主党は、マスコミ出身者の多さが際だっているのだ。

   年金問題で脚光を浴びた長妻昭氏(東京7区)が、日経BP社の「日経ビジネス」出身なのは有名だが、郡和子氏(宮城1区、東北放送出身)、小宮山洋子氏(東京6区、NHK出身)など、放送局の正社員ではないラジオのパーソナリティーなどを含めると、少なくとも23人がマスコミ出身者。宮崎岳志氏(群馬1区、上毛新聞出身)や長島一由氏(神奈川4区、フジテレビ出身)、加藤学氏(長野5区、NHK出身)など、新人候補者も多く、それ以外の候補者の出身母体も、産経新聞、読売新聞、テレビ朝日など幅広い。

   もちろん自民党の候補者の中にも、丹羽雄哉氏(茨城6区、読売新聞出身)、中川秀直氏(広島4区、日経新聞出身)、松島みどり氏(東京14区、朝日新聞出身)などマスコミ出身者は散見されるが、せいぜい「10人強」といったところ。民主党の差は歴然としている。

   民主党候補のマスコミ出身者の比率が際だっている背景について、早稲田大学大学院客員教授で日本インターネット新聞社社長の竹内謙さんは、党と候補者の利害が一致しているという点に着目する。

マスコミ出身者は、知名度などから票が集めやすい?

「民主党に追い風が吹いているのは間違いないのですが、地方の状況をきちんとみると、組織に基礎がないことが分かります。そこで、党としては、どうしても『風を受けられる人』を探したくなる。一方、候補者の側からすれば、自民党は組織政党なので、若い人は公認を取りにくい。その結果、メディアに露出していて知名度があったり、伝えるスキルを身に付けていて、票が集まりやすいマスコミ出身者の民主党候補者が多くなるのだと思います」

   一方で、竹内さんは、マスコミ出身議員の質が変化していることも指摘する。

「昔から、新聞記者出身の国会議員は、与野党ともに多かったんです。ただ、彼らは新聞業界に身を置いて政治を取材した経験を生かして政界に身を転ずる、というパターンでした。中には、緒方竹虎 (朝日新聞社出身)のように、記者時代から政界に足を半分以上突っ込んでいる人もいました。ところが、現代ではこのような人は減少していて、自民党議員でマスコミ出身の人も少なくなっていると思います。むしろ、最近は『マスコミ出身者は、知名度などから票が集めやすい』ということが大きいのではないでしょうか」

   マスコミ出身者と政治との関係をめぐっては、3つある人事院人事官ポストのうち、ひとつが「マスコミOB指定席」だったことが批判をあびた。このポストは、衆参両院の賛成を必要とする国会承認人事で、政府は千野境子・産経新聞元論説委員長を充てる人事案を提案していたが、参院で野党が不同意。候補者をマスコミ出身者から元大学教員に差し替えることになり、1953年以来の慣例が崩れたのは記憶に新しいところだ。

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