文系・理系の大枠で入学 北海道大学が新入試制度

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   北海道大学が2011年度から学部学科別ではなく、文系・理系の2つのおおきな枠で括った「総合入試」を実施する。入学後、2年次進級の際に、自分の希望する学部学科に進むというシステムで、学部の中身をよく知らずに入学した学生が、自分の希望と合わずに退学するのを防ぐ狙いだという。

再受験や転学で毎年40名が退学

   北大は2009年7月14日、11年度の入試で、従来の学部別入試と並行して総合入試を行うことを発表した。募集人数は、文系は総定員の16%に当たる100人、理系は55%に当たる1027人を予定している。1年次は、学部別入試で入学した学生と一緒に総合教育部に所属。1年間自分の学びたいことや、将来の進路などを考えた上で、本人の希望と成績によって学部・学科へ移行する。また、少数だが、文系・理系の枠を超えた移行も可能だという。

   北海道大学ではここ数年、再受験や転学といった、進路変更を理由とした退学者が毎年40名程度出ている。その理由の1つとして挙げられるのが、受験生が偏差値を基準に学部・学科を選択していること。北大によると、少子化で受験競争は以前よりも緩和されているのにも関わらず、依然として入れる大学、学部・学科などを優先して受ける傾向がある。入学後の体験を踏まえた選択になっていないため、意欲低下の原因となっている。

   また、転部という制度もあることにはあるが、欠員が出た場合など、条件に制限があり、枠も少ない。一度入学してしまうと、他の学部に移動するのは実際にはかなり困難だ。

「文系・理系のくくりで募集するのは珍しいケース」

   また、文系よりも理系の方が遙かに多い人数を総合入試で募集する。

「文系だと、法律家や教育者になりたいなど、学部別に高校生でも将来をイメージできます。理系だと、例えば生物を学びたいと考えたときに理学部でも水産学部でもできるわけです。しかも、専門的で外からだと分かりにくい。なので、理系の方が枠を多くとっています」

と北大の入試課の担当者は説明している。

   ちなみに、2年次の進路選択では理系の場合、医学部を希望することも可能だ。だが、1000人を超える総合入試入学者に対して、現在予定している医学部枠は僅か5名。依然として難関となっている。

   文部科学省の大学入試室の担当者によると、国立大学ではほかに東大が学部よりも大きなくくりで入試を行っているが、北大のような文系・理系のくくりで募集するのは珍しいケースだという。

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