大人気ゲーム「ドラクエ」シリーズ最新作「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」が2009年7月11日に発売され、2日間で234万3440本販売というメガヒットを記録している。ただ、ネット上のレビュー(作品評価)を見ると、「素晴らしい」というものから「裏切られた」と酷評するなど評価は様々だ。
「アマゾン」のレビューは半数以上が低評価
新作の「IX 星空の守り人」、前作「VIII 空と海と大地と呪われし姫君」発売から5年近く経過。ファンにとって待ちに待った発売となった。ゲーム機はソニーの「プレイステーション2」から、任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」に変更。携帯の特長を生かし、2人~4人集まっての通信プレイや、同ソフトを「DS」に入れて持ち歩く人達がプロフィールを自動的に交換し自分のゲーム内に招待できる「すれちがい通信」などの機能が付いている。
数年に一度新作が出る「ドラクエ」の発売はゲームファンやゲーム業界にとって一種の「お祭り」。どんなゲームになるのか予想で盛り上がるのもそうだが、発売日前日から店の前に長蛇の列ができたり、発売後に学校や会社を休む人が出たりするなどの社会問題にもなった。ゲームをあまりやらない人も「ドラクエ」だけは別。最初の「ドラクエ」が発売されてから20年以上が過ぎ、コアなファンは40代、50代にも多い。
ただ、新作「IX」は、発売前から酷評が絶えなかった。07年の発売が告知されていたが、2度に渡る発売の延期があり、「DS」用として販売が決まった後にも「TV画面で遊びたかった」といった不満も出ていた。また、インターネットで協力プレイができると期待していたところ、ワイヤレスでの通信プレイだったことなどがファンの反感を買ったようだ。
こうしたことがあったためか、発売前にも関わらず、ネット通販「アマゾン」の商品レビューのコーナーには09年初めから批判が大量に書き込まれた。「アマゾン」は規約違反として09年3月に全削除を行った。現在の「アマゾン」のレビューを見ると702の書き込みがあり、星5点満点のうち、最低の星一つが290、2つは133と合計で半数を超える。星一つの評価としては、
「なぜこれに五年の月日がかかったのか知りたいぐらいです」
「今までのドラクエの世界観が壊れた感じでした」
などが書かれている。
SNS「ミクシィ」の同ソフトのレビューは91人が書いていて、星5つで満点だが平均は3.63。発売日翌日の09年7月12日以降には54のレビューがあり、星5つは15、星4つは10あり約半数は高評価だ。星5つの人の評価を見ると、
「一部ネット上で騒がれているほど悪くないです。普通におもしろいと思う」
「絵もカワイイし、色々カスタマイズできるのもイイ」
などと書かれている。
「1年後には違った評価になっているのでは」
もともと、今回の新作に限らずドラクエはシリーズ「VI」以降、必ずといっていいほどバッシングが出ている。特に前作の「VIII」は、これまで2Dだったものが3Dに変わったため、「感情移入ができない。これはドラクエじゃない」などのバッシングが吹き荒れた。
ある関係者は、
「それだけドラクエはビッグネームで、期待度が高すぎるために起こる現象。ちなみに前作のVIIIはバッシングが大きかったにも関わらず、シリーズ最高の売上げになった。今回の新作は遊べる機能が多く、さらに今後、通信を使ってアイテムやマップなどが無料で配布されるため、1年後には違った評価になっているのでは」
と話している。
スクウェア・エニックス広報は、「ドラクエ」の新作に酷評がでていることについて、
「遊んで頂いている方には様々な評価があると思いますが、それらを真摯に受け止め、今後のゲーム開発に役立てていきたい」
とだけ話している。