新車販売ランキングで1位を記録し、納車待ちが続いている3代目「プリウス」をめぐり、思わぬ現象が起きている。中には、値下げされた2代目の新車を上回る価格の2代目中古車も出ている。今注文しても、新車が手に入るのは2010年3月。「それなら、すぐ手に入る旧型の中古車の方がいい」という人も増えているのだという。
6月末の段階で20万台超える注文が殺到
3代目のプリウスは2009年5月18日に発売。最も安いモデルの価格が、2代目よりも約30万円安い205万円に設定されたことが話題を読んだ。政府による「エコカー減税」の効果もあり、日本自動車販売協会連合会が09年7月6日に発表した新車ランキングによると、09年6月に販売されたプリウスは2万2292台(その内3代目は2万1192台)。軽自動車を含む総合ランキングで、初のトップに躍り出た。
2代目については、新グレード「EX」として、189万円に値下げした上で新車販売が継続されているものの、中古車市場での人気が高い。
3代目プリウスは、6月末の段階で20万台を超える注文が殺到しているとされ、品薄感が広がっている。さらに、「EX」も1月の販売台数は2000台にとどまっている。そのため、「2代目」を中古車市場で求める動きが広がっているというのだ。
中古車チェーン店を運営するガリバー・インターナショナル(東京都千代田区)の「ガリバー自動車研究所」では、
「『2代目』の中古車市場での価格は、08年前半は原油価格が高騰していた関係で上昇していたのですが、後半は『新モデルが出る』という情報が出たことから、下落に転じました。ところが、09年に入ってからは、値崩れがしにくい安定した状況が続いています」
と話す。
08年式のもので220~230万円が付いている
確かに同社のサイトを見ると、2代目の08年式のものでは、220~230万円という値段が付いているし、他の中古車情報サイトでも、200万円を超える2代目が散見される。いわば、同じ2代目でも、一部では中古車の価格が新車を上回るという現象が起こっているのだ。
もっとも、中古車市場で販売されている2代目は、オプションなどが装備された比較的上位モデルが多いことなどを考えると、単純に比較することはできない。
「ガリバー自動車研究所」によると、
「今から『3代目』の一番安いモデルを注文しても、納車されるのは10年3月。このことから、『待つくらいなら、すぐに手に入る2代目の中古車を』とおっしゃるお客様も多いです」
とのことで、「プリウス3代目人気」を意外な形で裏付けるエピソードだと言えそうだ。