サイトに選挙公報を掲載することができない理由
選挙公報が新聞と一緒に届けられる時代はもう終わった!?
東京都23区の選管すべてに取材してみると、23区のうち14区(千代田・墨田・品川・目黒・世田谷・渋谷・中野・豊島・北・荒川・板橋・足立・葛飾・江戸川)が、新聞折込から全戸配布へと移行していた。
配る方法はさまざま。郵送(千代田区)のほか、シルバー人材センターのスタッフが配ったり(目黒区や葛飾区など)、ポスティング業者に委託したり(豊島区や北区など)といろいろだ。なかには、新聞販売店がすべての家に配達している区(墨田区や荒川区など)もあった。
一方、従来どおりの「新聞折込」で選挙公報を配っているのは、9区(中央・港・新宿・文京・台東・江東・大田・練馬・杉並)と東京23区では少数派になっていた。 いまだに新聞折込にこだわるのは、「ポスティング業者などを使って全戸に配布するほうが経費がかかる」(文京区)というコスト面の問題が大きいようだ。しかし、「新聞折込派」も時代の流れは認識している。
「新聞購読率が下がっている現状からすると、全戸配布への移行を真剣に検討しなければいけない時期にきているといわざるをえませんね」(練馬区選管)
ところで、若い有権者に選挙情報を届ける手段として、もっと効果的な手がある。インターネットだ。しかし、東京都23区でネットに選挙公報を掲載している自治体はない。
「選挙公報も選挙運動の一種といえるので、ネットでの選挙運動が認められていない現状では、サイトに選挙公報を掲載することもできないんです。必要性はわかりますが、法の整備が遅れているということですね」
杉並区選管の担当者は、そう口にした。