東京都議選は、民主党が改選前の34議席から54議席に大躍進する「圧勝」という結果で終わった。特に注目されたのが、民主党の若手新人候補が自民党のベテラン現職候補を破るケース。さらに、30代の民主新人候補が、民主党のベテラン議員を押し出す形で当選を果たしたというケースも出現。「若返り」が総選挙の結果を占うカギにもなりそうだ。
大田区では民主党の60代現職2人が落選
2009年7月12日に投開票された東京都議会議員選挙(定数127)では、民主党は41選挙区に、58人の公認候補を擁立。そのうち、実に54人が当選を果たした。
特に千代田区(定数1)では、自民党都連幹事長で現職の内田茂氏(70)が、告示直前に立候補を表明した民主新人の栗下善行氏(26)に敗れるという波乱があった。同選挙区で自民党が議席を失ったのは1959年以来で、党内には衝撃が広がった。
また、世田谷区(定数8)でトップ当選を果たしたのは、民主新人で経営コンサルタントの関口太一氏(33)。2番目に多く得票したのは、民主現職の山口拓氏(36)で、1位と2位は、いずれも30代だ。その結果押し出される形になったのが、次点となった自民元職の真鍋欣之氏(52)と、自民現職の田代博嗣氏(63)。いわば、今回の選挙で、2枠分が30年近く「若返り」を果たしたとも言える。
この「押し出し現象」、実は民主党候補同士でも起こっている。4人いる民主党の落選候補の内訳を見てみると、自民党が圧勝した島部(定数1)から立候補した新人の田中英二氏(58)と、民主党が2人に候補者を擁立し、票が割れる結果になった目黒区(定数3)の新人・富川知子氏(30)。残り2人が大田区(定数8)からの候補者だ。
大田区では14人が立候補し、民主新人で元区議の田中健氏(31)と同じく民主新人で元区議の柳ヶ瀬裕文氏(34)が、得票数上位2位を占めた。このあおりを受ける形で落選したのが、民主党の現職2人だ。