日本の失業率、実は米国並みの9%?

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「失業予備軍」が233万人もいる

   厚労省が公表している雇用調整助成金の実施計画の受理状況によると、リーマンショック直後の08年10月は1か月に事業所数140社、対象者数3632人分を受理したのに対して、09年5月には、驚くことに6万7192社、233万8991人に膨張した。

   この233万人は企業に勤めているので失業者ではないが、リストラ解雇や派遣切りの一歩手前の、「失業予備軍」であるといえる。

   5月の完全失業者数は347万人。厚労省が発表する失業率はこの完全失業者数を、労働力人口(就業者数と失業者数の合計)で割ったものだから、野口教授が指摘する、この「失業予備軍」を失業者数に加えて計算しなおすと、約9%になる。

   日米の失業率は、雇用慣行が違うので簡単には比較できない。しかし、日本の失業率は雇用の実態を反映していないのは確かなようだ。

   失業者の定義をみても、たとえば1週間のうち、たった1日働いて賃金を得ると就労者の扱いになるし、求職中のアルバイトも統計上は就労者。職がなくて家事手伝いをしている場合や学校に資格を取得するという人も失業者ではない。求職意欲を失った、仕事に就くのをあきらめた人も失業者とは言わない。いわゆる、ニートやフリーターは失業者ではないのだ。

   内閣府の「青少年白書(2009年版)」によると、仕事にも就かず学校にも行っていないニートは、08年に前年比2万人増えて64万人になった。しかも、25歳以上(34歳まで)の人が半数以上を占めていて、2年連続で1万人ずつ増加しているという。

   一方、フリーターは前年比11万人減って170万人となったが、25歳以上の「年長フリーター」の減少は鈍い。「若い人の正社員への雇用は少し改善された」(厚労省)ものの、本来、働き盛りの人には職がない。

   こうした人たちを計算に入れると、日本の失業率はさらに高い可能性もある。

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