日本の失業率、実は米国並みの9%?

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   日本の失業率は、米国並みに高く、実は9%くらいなのではないか――。早稲田大学大学院ファイナンス研究科の野口悠紀雄教授の「衝撃発言」が波紋を呼んでいる。

政府は「雇用調整助成金」で失業を押さえ込んでいる

   2009年6月30日に総務省が発表した5月の完全失業率は、前月に比べて0.2ポイント上昇して5.2%となった。単純に、1000人のうち52人が失業していることになる。

   また、厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率は同0.02ポイント低下して0.44倍となり、過去最低を更新。ハローワークにくる求人も減っている。さまざまな経済指標が上向きつつあるなかで、雇用は厳しい。ところが、本当は数字以上にもっと深刻な状況にあるという。

   早稲田大学大学院ファイナンス研究科の野口悠紀雄教授は、7月4日に放映された「NHK経済ワイド vision e」で、「日本の失業率は、政府が抑えていることもあって、そうなって(5.2%に)なっているが、実体は米国並みの9%台になっている」と発言した。

   野口教授は、日本の失業率が低く見えるのは「雇用調整助成金があるためだ」と指摘する。「雇用調整助成金で企業内失業となっている人を失業とカウントすれば、9%を超えて米国と大差がなくなります」と話す。

   雇用調整助成金とは、景気変動や金融危機などの理由で収益が悪化し、事業の縮小を余儀なくされた企業が、従業員の一時休業や、出向させる際に、事業主が支払う休業手当や賃金の一部を国が助成する制度。厚労省は「企業努力に対する助成です」と説明する。

   本当は解雇したいのだけれど、企業になんとか踏みとどまってもらって、失業者を増やさないようにしているというわけだ。

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