米YouTubeが市民記者向けにニュース報道のノウハウを紹介する新チャンネル「YouTube Reporters' Center」を立ち上げた。チャンネルの中では、報道機関で活躍する記者たちが、取材方法や事実確認の手法などについて語っている。ただ、これだけで「書ける市民記者」への道が開けるかというと、そう簡単でもなさそうだ。
ウォーターゲート事件報道で知られるボブ・ウッドワードも参加
米YouTubeが専用チャンネル「YouTube Reporters' Center」を開設したのは2009年6月29日。講師陣には、たとえば、ワシントン・ポスト紙に所属するボブ・ウッドワードさんやニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ニコラス・クリストフさんらが参加している。ボブ・ウッドワードさんとは1972年に起きたウォーターゲート事件を政権からの圧力にも屈せず調査報道し、当時のニクソン大統領を辞任に追い込んだ人物。ピュリツァー賞も受賞している。
専用チャンネルには今のところ、約30本の動画があり、いずれも5分ほどにまとめられている。その中でも8万回以上再生されていて、最も人気がある動画が「Katie Couric on how to conduct a good interview【良いインタビューを行う方法】」。この動画の中では、CBSイブニングニュースの人気キャスター、ケイティ・コーリックさんがインタビューの手法について語っている。
彼女によると、インタビューのコツは、相手のためにあたたかい気持ちで言葉やボディランゲージを使うこと。インタビューの内容によって声のトーンを変えること。答えが脱線したときには同調して、答えを引き出すことにつとめること。結果を想定して――この人はどんな答えをするだろうかを考えながら質問すること。その中でも、インタビューにおいては、聞く姿勢がとても大事なのだと強調している。