環境関連株の人気は「バブル」的?

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   エコカー減税やエコポイント効果で、環境関連商品が好調に売れている。こうした「環境関連企業」の株式は投資信託などにも積極的に組み入れられて、人気がうなぎ登り。ただ、人気先行型で株価には反映せず、「環境バブル」との指摘も出ている。

「インサイト」や「プリウス」は売れているが

   薄型テレビや冷蔵庫、エアコンなどの家電製品は、「エコポイント」の後押しもあって、売上げを好調に伸ばしている。

   エコポイントの利用について、二階俊博経済産業相は、「(7月1、2日の)2日間で1万7500件もの申請があった」と、好調な滑り出しを喜んだ。この数字はインターネット経由の申請分だけで、経産省は「その後も多くの申請が寄せられています。紙媒体のものもあるので処理が追いついておらず、利用状況についてはまとまり次第公表したいと思っています」と話している。

   エコカー減税で、ホンダの「インサイト」やトヨタの「プリウス」の販売台数も伸びている。「プリウス」の6月の新車販売台数は2万2292台で、2か月連続の首位となった。人気殺到で、納車まで数か月待ちという。ホンダの「インサイト」も月間8000台をコンスタントに売っている。

   自動車メーカーは、ハイブリッドカーに限れば「快走中」だが、株価はさえない。

   三洋電機の株価は7月10日の終値で212円。月初1日の247円(終値)より下落している。同社はトヨタ車に搭載されるリチウムイオン電池を生産しており、「環境銘柄」として評価された。6月17日には年初来最高値の279円をつけたものの、早くも息切れ状態だ。

GSユアサも高騰の後さえない

   エコカー需要から電池・電源関連セクターは注目の的。なかでも、ジーエス・ユアサの株価は急騰した。GSユアサは、三菱自動車のエコカー、「iMiEV(アイミーブ)」に搭載しているリチウムイオン電池を提供する。iMiEVが量産体制に入ったこともあって、GSユアサの株価は6月18日には年初来最高値の1228円をつけた。4月に500円台をうろついていたのが、瞬く間に2倍強も高騰、目を見張った。

   ところが、こうした「エコ換え」需要の好調ぶりをみて、「環境バブル」を懸念する声が広がっている。高騰し続けたGSユアサの株価も7月10日の終値は前日比34円安の773円で、ひとまず落ち着いてきた。

   エコカー減税やエコポイントは買い換え需要の掘り起こしに効果があったとみられているが、「売り上げ優先で、需要を先取りしただけ」と、いま以上にモノが売れなくなる時期がやってくる恐れもある。

   エネルギー分野をウオッチする岡三証券のアナリスト、宮本好久氏は「(GSユアサは)超大型株をしのぐ勢いで伸びてきたが、いまは一たん収まった状況。株価は最高値から値下がり幅が大きくなってしまったので、回復には時間がかかりそう。株式ディーラーにさんざん物色されて、『噛み終ったガム』のような状態だ」という。このところの原油価格の急落も、エコカー関連株に冷や水を浴びせた格好だ。

   エコカーや地デジ対応の薄型テレビなどの国内の買い替え需要が一巡すると、株価はどうなるのだろうか。

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