GSユアサも高騰の後さえない
エコカー需要から電池・電源関連セクターは注目の的。なかでも、ジーエス・ユアサの株価は急騰した。GSユアサは、三菱自動車のエコカー、「iMiEV(アイミーブ)」に搭載しているリチウムイオン電池を提供する。iMiEVが量産体制に入ったこともあって、GSユアサの株価は6月18日には年初来最高値の1228円をつけた。4月に500円台をうろついていたのが、瞬く間に2倍強も高騰、目を見張った。
ところが、こうした「エコ換え」需要の好調ぶりをみて、「環境バブル」を懸念する声が広がっている。高騰し続けたGSユアサの株価も7月10日の終値は前日比34円安の773円で、ひとまず落ち着いてきた。
エコカー減税やエコポイントは買い換え需要の掘り起こしに効果があったとみられているが、「売り上げ優先で、需要を先取りしただけ」と、いま以上にモノが売れなくなる時期がやってくる恐れもある。
エネルギー分野をウオッチする岡三証券のアナリスト、宮本好久氏は「(GSユアサは)超大型株をしのぐ勢いで伸びてきたが、いまは一たん収まった状況。株価は最高値から値下がり幅が大きくなってしまったので、回復には時間がかかりそう。株式ディーラーにさんざん物色されて、『噛み終ったガム』のような状態だ」という。このところの原油価格の急落も、エコカー関連株に冷や水を浴びせた格好だ。
エコカーや地デジ対応の薄型テレビなどの国内の買い替え需要が一巡すると、株価はどうなるのだろうか。