卵焼きが甘くてびっくりした――。こんな投稿をめぐって掲示板サイト「発言小町」で熱いバトルが展開されている。卵焼きは必ず「砂糖入り」なのか。「砂糖を入れず塩だけ」が普通なのか。家庭の味が色濃い料理だけに、それぞれに思い入れがあるのだろうか。
甘い「卵焼き」があること、信じられません
話題になっているのは、読売新聞が運営する掲示板サイト「発言小町」に2009年7月7日に投稿された「お砂糖入りの『卵焼き』にビックリ!!」と題した記事だ。それによると、投稿女性は夫の実家で初めて、砂糖入りのたまごやきを食べて、驚いた。
「不味くて食べられませんでした」「こんな『卵焼き』があること自体、信じられません」として、「お砂糖入りの『卵焼き』って、クレープと同じデザートです」とまでこきおろしているのだ。なお、投稿者は、塩か出汁入りでしか食べたことがないという。
これに対して、24時間経たないうちに500件以上が殺到し、熱い議論に。「(砂糖入りは)うちでは普通です」「砂糖を入れない『卵焼き』があること自体、信じられません」「甘い卵焼きはお弁当の必須アイテムですよ」などと、砂糖派がやや優勢といった様子で書き込まれた。
一方、「うちの実家は塩と出汁の厚焼き卵でした」「父方は塩の卵焼きですが母方は砂糖入りの卵焼きです」「卵焼きはずっと塩です」というのもあった。また、「結構私の周りは砂糖派か塩派で議論しちゃうくらい」という意見もあった。
関東では甘めの卵焼き、関西ではだし巻き卵が主流
もっとも、この議論に関して、SNS「mixi」内にもコミュニティ「卵焼きは甘い派」と「甘い卵焼きとかほんと無理」と、対立する2つがある。この話題、根が深いらしい。後者のコミュニティによると、結婚後、夫の家庭の味が「甘い」ことに驚いたという人は少なからずいるようだ。
ちなみに、発言小町では翌7月8日、今度は「卵焼きの味と地域の関係を考察する」と題した話題が記載され、住まいや出身地域などによる味の違いを特定しようという試みも行われた。100件以上の書き込みが寄せられたが地域性はいまひとつわからなかった。
さて、ABCクッキングスタジオ商品開発グループ長の粟野幸恵さんによると、「卵焼きは一般的には、関東では砂糖を加え甘めにした卵焼き、関西ではだし巻き卵が主流と言われています。もっとも、卵焼きは、家庭の味が色濃い料理で一概には言えません。家庭によって味はまちまちだと思います。慣れ親しんだ味以外を口にして、戸惑うことはあるかもしれませんね」と話している。
なお、ABCクッキングスタジオで「卵焼き」を教える際には、砂糖・みりんを少量加えるとのこと。これは甘みを少し加えるのと、砂糖を入れることでふっくら仕上げるためだという。