ファンドマネジャーいらない ロボット運用する投信登場

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   資産運用の「プロ」であるファンドマネジャーの代わりを務めるロボットが登場、実際に投資信託の運用を手がけることになった。マネックス証券が取り扱う「日本株ロボット運用投信」(愛称:カブロボファンド)がそれで、2009年7月10日から募集を開始する。「カブロボ」の出現で、ファンドマネジャーはいらなくなってしまうのか。

投資判断に人の心理はいらない

優秀な「カブロボ」の登場でファンドマネジャーはいらなくなる?
優秀な「カブロボ」の登場でファンドマネジャーはいらなくなる?

   ファンドマネジャーといえば、資産運用業務の「花形」で、高給取りでもある。証券会社などが販売する投資信託、しかも多くの資産運用残高をもつ旗艦ファンドのファンドマネジャーともなるとカリスマ的な存在だ。

   ところが、「カブロボ」の登場でそんなファンドマネジャーが閑職に追いやられるかもしれなくなった。

   マネックス証券が募集する「カブロボファンド」は、投資対象の日本株の選定を、4体のロボットが行う。日本初、ロボットが運用する投信に、同社は「ファンドマネジャーはいません」と胸を張る。

   株式市況を分析するのもロボット。短期的に利益を得るタイプや、反対に長期的に利益を追求するタイプ、また損切りルールなどのあらかじめ組み込まれたプログラムをもとにさまざまなデータを分析し、その結果から、「カブロボ」が東証第1部に上場する約500銘柄の中から、個別の銘柄を導き出し、売買数量や価格、方法を決定し、自動的に注文する。 マネックスは「テクニカル指数をメインに売買すると考えてもらうとわかりやすい」と話している。

   カブロボが銘柄を選び、実際に売買することで、株式売買時の定性的な判断は排除される。機械的な運用によって、人間の心理的な要因による「機会損失」を回避できるのが特徴だ。どのような相場状況においても収益チャンスをとらえて、かつ機動的な運用で中長期的な成長をめざす。

「カブロボ」は日々開発、改良されている

   投資家が期待するのは手数料だ。ファンドマネジャーの仕事が効率化されれば、ファンドにかかる手数料の値下げも見込める。「カブロボファンド」の信託報酬は1.47%で、発売されている投資信託のものと変わらない水準だが、信託報酬が低い上場投資信託(ETF)よりは高い。

   マネックスは、「プログラムの開発費用や、カブロボを開発した人へのライセンスフィーなどがあります」と説明する。ただ、いまはむずかしいが、カブロボが普及してくれば下がる可能性はある。

   じつは「カブロボ」はすでに4000体以上が存在し稼働中という。この投信で銘柄選定などにあたる4体のカブロボは、投資を助言するトレード・サイエンス社が持つ4000体の中から選んだ。プログラムを開発したのは、大学や企業の研究者、個人投資家で、なかには人工知能を搭載したロボットまである。こうしたカブロボを、仮想の運用成績を競う「カブロボ・コンテスト」を通じて募集したところ、参加者は1万9000人を超えた。

   マネックスは「スタート時は4体ですが、株式市況などを見ながらプログラムの入れ替えを行う予定です。カブロボは日々開発、改良されていますから」と話す。

   これでは「できる」ファンドマネジャーもうかうかできない。

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