爆発的に売れているワコールのボトムス「クロスウォーカー」
補正下着は長い間女性だけのもので、男性の下着に「締めつけ」はタブーだとされてきた。
しかし、福助が05年に足首とふくらはぎに圧力をかけて引き締める「着圧」設計の靴下を発売したところ好評だった。
「男性は体を締めつけるアイテムを嫌がると思っていましたが、着圧靴下が受け入れられたので、生活に支障がない程度なら男性でも(締めつけは)ありではないか、と考えるようになりました」(同社広報担当者)
補正下着は発売当時、男性ファッション誌がこぞって紹介して、おしゃれに敏感な30歳代~40歳代の反響が大きかった。07年頃からメタボが注目されるようになり、50歳代、60歳代の購入者も増えている。
男性用もいろんなタイプが出てきているが、なかでも爆発的に売れているのはワコールのボトムス「クロスウォーカー」だ。
08年3月に発売し、09年6月末までに112万枚を売り上げた。発売時の初年度目標は20万枚としていたが、3か月でクリア。予想を上回る大ヒットになっている。「Yahoo!ショッピング」でも、メンズ下着、パジャマ、部屋着のカテゴリーで、売れ筋ランキングのベスト3位と4位にランクインしている(09年7月8日時点)。
クロスウォーカーは体のラインを整える目的の補正下着とはひと味違う。太もも部分に設けられた同社独自のクロス構造が、歩くたびに太ももの筋肉に適度な刺激を与え、歩幅が自然と広がって筋肉を鍛えられるという仕組み。
価格は1枚3000円台~5000円台と安くはないが、履いて歩くだけでおなかを引き締めるエクササイズになるという手軽さが20歳代~60歳代の幅広い層にうけているようだ。