シャープとソニーの合弁また延期 両社の関係は微妙に?

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

10月にはシャープ単独で工場を稼働させる

   シャープはソニーとの合弁会社設立が当初予定よりも遅れたため、09年10月には単独で工場を稼働させることを決めているが、投資額約3800億円の応分の負担をソニーに求める基本姿勢は変えていない。

   大手電機メーカーの09年3月期決算はシャープ、ソニーを含む8社が赤字となった。この中で、シャープは10年3月期について「日本や中国など当社の強みが生かせるマーケットで、引き続き2ケタの販売台数伸長を目指す」(片山幹雄社長)と、液晶テレビ販売で強気の戦略を崩していない。民間調査機関の調べでは「世界の液晶テレビ市場は1月に底入れした」との見方が有力で、中国など新興国の需要は旺盛のようだ。しかし、ソニーは09年度の液晶テレビの販売目標を、08年度実績比で20万台下回る1500万台に引き下げる慎重姿勢を示している。

   これまでソニーは韓国サムスン電子との合弁会社から液晶パネルを調達するなどしてきたが、昨秋までの需要拡大を前提に、シャープとの合弁で新たな調達先を確保しようとした経緯がある。ソニーは6月末、「シャープとの合弁の予定に変更はない」とコメントしているが、世界需要が予想に反して低迷すれば、ソニーがシャープの堺工場への出資や調達の規模を縮小することも考えられ、シャープは世界戦略の見直しを迫られる可能性もある。

1 2
姉妹サイト