マンホールのすきまに入り込んでしまい、頭だけチョコンと飛び出たスズメ。そんな不思議な画像が2009年7月初めからネットで話題になっている。「かわいい」「どうしてこうなったのか不思議だ」といったコメントが寄せられている。
世田谷区「すぐやる課」が救出
「なにこれw」と話題の画像(提供:世田谷区)
この画像はそもそも07年12月、世田谷区役所HP内にある、「すぐやる課」の活動をまとめたページに掲載されたものだ。「相談したいことがあるけれど、どこに聞いたらよいか分からない」という区民の要望や相談に応えるため、03年に新設された。「区民の身近な窓口」として幅広い業務を行っている。
07年10月のことだった。同課に「マンホールの中にいるスズメを助けて欲しい」という要望が寄せられた。職員が現場にいくと、マンホールのフタから顔だけ出したスズメの姿があった。画像はこのとき撮影された。
まず職員は東京都の鳥獣保護担当者に相談した。すると、「どこからか入ってきたのですから、そこから出て行くはずです」。しかし、だんだんスズメは衰弱していく。結局、下水道局に応援を依頼、重いフタを持ち上げて開けてもらった。スズメは何事もなかったかのように、近くの神社の森に飛んでいったという。活動報告の最後には、
「すぐやる課は、皆さんの笑顔に見送られながら、清々しい気分でその場を後にしました」
と綴られている。
「車にひかれる可能性が高いため、救出に努めました」
この画像は、救出劇があった2年後の09年7月初めくらいから突然、ネットに貼り出された。画像元のすぐやる課のHPには7月7日現在で600件以上のはてなブックマークが付いている。身動きできずに助けを待つスズメの姿が「かわいい」などのコメントのほか、
「なんでこんなところに」
「どうしてこうなった」
といったものが数多く寄せられ、多くの人の関心を惹きつけているようだ。
すぐやる課担当者によると、同課には放置自転車や騒音などのほか、動物絡みの相談も数多く寄せられるとのこと。08年はカラスに関する相談件数だけで328件。そのうち138件は実際に職員が出動した。また、「ヘビが家の中にいる。何とかしてくれ」という相談もあったという。だが、このスズメに関しては
「現場に着いたらそうなっていたというだけで、どうしてそうなったかは分かりません」
マンホールに動物が入り込んだという相談は他にないという。東京都の鳥獣保護担当者も、
「もしマンホールのフタが工事で開いていたとしても、通常近くに人がいるので動物が近寄ることはありません」
と話しており、どうやら相当珍しいケースのようだ。
また、すぐやる課では、野生のハトなどペットではない動物を「助けてあげて」という要望が寄せられても、自然のことなので、そのまま様子を見守ることが多いという。このスズメに関しては
「『何とか助けてあげたい』という相談者の気持ちを汲み取り、また、車にひかれる可能性が高いため、スズメの救出に努めました」(すぐやる課HP)
とのことだ。