「故人献金」98年からしていた? それでも鳩山代表「説明責任果たした」

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   民主党鳩山由紀夫代表の、いわゆる「故人献金」問題について、鳩山代表がすでに虚偽記載を認めている05~08年以外にも、架空名義の疑いがあると続々と指摘されている。自民・公明両党が02~04年の報告書について架空名義疑惑を指摘しているほか、共産党の「しんぶん赤旗」も、1998~04年の記載について疑惑を指摘。それでも、民主党は「すでに説明責任は果たした」との姿勢を貫いている。

「赤旗」は1998~04年に架空献金の疑いがあると報じる

   2009年6月30日の発表によれば、いわゆる「故人献金」は、経理担当の公設秘書が独断で行ったとの説明がなされた。その理由について、鳩山氏は「私に対する個人献金が少ないので、『そのことが分かったら大変だ』との思いが(公設秘書に)あったのでは」と説明。動機などについては、弁護士が調査を進めていくという方針を明らかにしていた。この段階で問題とされていたのは05年~08年分の報告書で、虚偽献金の額は2177万円。すでに05~07年分については総務省に訂正を届け出ている。

   しかし、それ以外についても、続々と疑惑を指摘する声が上がっているのだ。例えば、自民・公明両党のプロジェクトチーム(PT)は7月3日、02年~04年の報告書に記載されている延べ47人の計906万円について架空献金の疑いがあると指摘。さらに、共産党の「しんぶん赤旗」は7月5日、1998~04年にかけて、39人、延べ79件、総額1640万円の架空献金の疑いがあると報じている。与党側も共産党も、問題とされている鳩山氏の資金管理団体「友愛政経懇話会」の過去の収支報告書の中から、すでに鳩山氏が架空名義と認めた人と同姓同名、同住所の人物の記録をさかのぼった。

   与党側は鳩山氏らの参考人招致を要求しているが、民主党側は拒否する構えだ。一方、共産党の市田忠義書記局長は7月6日の会見で、静岡県知事選での民主党系候補の勝利にふれ、

「それ(知事選での勝利)で『みそぎ』が済むと思うなら、これほど国民をバカにした議論はない」

と、疑惑の解明を求めた。いわば、与野党の両方からの批判にさらされている形で、事態は拡大していると言っても良い。

虚偽記載をした公設秘書には、まだ会っていない!!

   にもかかわらず、一連の問題については、鳩山氏は「すでに説明責任は果たされている」との立場だ。自民・公明両党の指摘については、7月7日午前、党本部で開いた役員会で、「全く問題はない」と説明、了承された。7月7日午後の定例会見では、質問に立った8人の記者のうち、4人が献金問題に触れたものの、疑惑の解明につながる新たな説明がなされたとは言い難い。

   ある記者からは「『説明責任を果たしているが、国民に十分に伝わっていない』とのことだが、具体的に伝えるアイディアは?」との質問が出たが、

「中々、それが難しいんでありますが…。(6月30日の会見では)32問の質問をいただいて、出来る限り真摯に、ありのままをお答えしたのですが、その一部始終が国民に伝わっていないと思いますので、何らかの方法でお伝えしないといけないと思っています。メディアを通じると、全てが直接的に伝わらないという思いがあるので、何らかの方策を講じないといけないと思っています」

と、従来通りの説明を繰り返した。また、自民・公明両党の指摘の中で「北海道の地元政治団体の収支報告書に、事務所の家賃が計上されていない」などと指摘されている点については、

「北海道、室蘭の問題など、全く問題ないと考えているようなところまで『疑惑あり』というイメージを作ろうとしているようであれば、何らかの方法を考えないといけない」

と反発した。

   また、当初問題になった「故人献金」が行われた経緯の解明は進んでいない様子で、調査の進捗について聞かれても

「(公設秘書が虚偽記載をした動機については)未だに正確には把握していない。(公設秘書の)体調が思わしくないこともあり、まだ彼に会っていない。推測の域を出ない。(問題とされた5万円以下の献金についての)調査の進捗については、元々非開示なだけに、法的な観点から、調査を依頼している弁護士が判断する。自分は、これ以上申し上げる立場にないし、(結果を公表する)タイミングについては分からない」

と述べるにとどまった。「赤旗」が問題視した点については、特に質問は出なかった。

   共同通信社が7月3日から4日にかけて行った世論調査によると、鳩山氏の説明に「納得できた」は12.4%だったのに対し、「納得できなかった」との声は78.3%にのぼった。読売新聞社が7月2日から3日にかけて行った調査でも、鳩山氏が説明責任を果たしていないと思う人の割合は80%に達した。

   民主党側の「すでに説明責任は果たした」という説明と、世論の受け止め方が大きく食い違っていることが浮き彫りになった形だ。

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