虚偽記載をした公設秘書には、まだ会っていない!!
にもかかわらず、一連の問題については、鳩山氏は「すでに説明責任は果たされている」との立場だ。自民・公明両党の指摘については、7月7日午前、党本部で開いた役員会で、「全く問題はない」と説明、了承された。7月7日午後の定例会見では、質問に立った8人の記者のうち、4人が献金問題に触れたものの、疑惑の解明につながる新たな説明がなされたとは言い難い。
ある記者からは「『説明責任を果たしているが、国民に十分に伝わっていない』とのことだが、具体的に伝えるアイディアは?」との質問が出たが、
「中々、それが難しいんでありますが…。(6月30日の会見では)32問の質問をいただいて、出来る限り真摯に、ありのままをお答えしたのですが、その一部始終が国民に伝わっていないと思いますので、何らかの方法でお伝えしないといけないと思っています。メディアを通じると、全てが直接的に伝わらないという思いがあるので、何らかの方策を講じないといけないと思っています」
と、従来通りの説明を繰り返した。また、自民・公明両党の指摘の中で「北海道の地元政治団体の収支報告書に、事務所の家賃が計上されていない」などと指摘されている点については、
「北海道、室蘭の問題など、全く問題ないと考えているようなところまで『疑惑あり』というイメージを作ろうとしているようであれば、何らかの方法を考えないといけない」
と反発した。
また、当初問題になった「故人献金」が行われた経緯の解明は進んでいない様子で、調査の進捗について聞かれても
「(公設秘書が虚偽記載をした動機については)未だに正確には把握していない。(公設秘書の)体調が思わしくないこともあり、まだ彼に会っていない。推測の域を出ない。(問題とされた5万円以下の献金についての)調査の進捗については、元々非開示なだけに、法的な観点から、調査を依頼している弁護士が判断する。自分は、これ以上申し上げる立場にないし、(結果を公表する)タイミングについては分からない」
と述べるにとどまった。「赤旗」が問題視した点については、特に質問は出なかった。
共同通信社が7月3日から4日にかけて行った世論調査によると、鳩山氏の説明に「納得できた」は12.4%だったのに対し、「納得できなかった」との声は78.3%にのぼった。読売新聞社が7月2日から3日にかけて行った調査でも、鳩山氏が説明責任を果たしていないと思う人の割合は80%に達した。
民主党側の「すでに説明責任は果たした」という説明と、世論の受け止め方が大きく食い違っていることが浮き彫りになった形だ。