東証REIT指数「1000」回復 それでも遠い「底打ち感」

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物件動かず、不良債権残る

   こうした状況に、REITアナリストの山崎成人氏は「上昇基調と考えるのは早計だ」と、警鐘を慣らす。

   不安材料が出尽くしたとはいえず、「私募の不動産ファンド向けノンリコースローンの返済が2010年にピークを迎えることは大問題」(山崎氏)とみている。私募ファンドはローンを返済するために保有不動産を売却しなければならなくなる。しかし、その物件を買う、買い手がいない状況では不動産市況の下落に拍車をかけかねない。

   また、ある不動産鑑定士は「銀行が抱えている不良債権は少なくない。これが顕在化していないことが問題だ」と話す。

   不動産ファンドの資金繰りが苦しいのは、銀行が主導権を握っているため。「保有物件の売却について銀行は、自行の評価損が膨らまないように少しずつ処分している。ファンドが売却したくても認めなかったり、反対に売りたくないのに売らされたりといった状況がある」と指摘する。かつてのバブル崩壊のときは、銀行が処分した不良債権を外資系ファンドが購入したが、いまは買い手がいないため、売買がまったく成立しない状態にあり、思い切った処分に踏み切れないというわけだ。

   不動産市況を立て直すためには、「物件の流動性を確保することが必要だ」と、専門家ふたりは口をそろえて強調する。

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