東証REIT指数「1000」回復 それでも遠い「底打ち感」

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   東京証券取引所に上場する不動産投資信託(J-REIT)全体の値動きを示す東証REIT指数が2009年7月2日の終値で1000ポイントの大台に回復した。2008年10月6日に1000ポイントを割ってから、約8か月ぶりの回復だ。米サブプライムローン問題をきっかけに急速に冷え込んだ不動産市況を背景に、なかなか上昇気流をつかめないREIT市場だが、久しぶりの明るい兆しに「底打ち感」も漂ってきた。しかし、専門家はなお厳しい目を向けたままだ。

「買い注文が増えて、人気が戻ってきているという感触はあります」

   東証REIT指数の2009年7月3日の終値は、前日比マイナス3.65の1001.36ポイントとなった。一時990.40まで下げたが、高値で1005.64ポイントをつけた。前日に1000ポイントの大台に乗せて、2日続きで維持した。

   東証REIT指数は、2007年5月の2600ポイント台をピークに下降。08年9月のリーマン・ショックが追い討ちをかけ、同10月28日には最安値の704.46ポイントまで下落した。金融危機の影響で、REITの運営企業の資金繰りが悪化し、ニューシティ・レジデンシャル投資法人が上場するREITとしては初めて破たん。REIT投資は敬遠された。

   その後、政府が09年秋をめどに官民ファンドの設立を打ち出すなど、REITの資金繰り支援に乗り出すことで好感がもたれ、「持ち直し」のきっかけが見えた。

   5月には、大和証券グループ本社がREITの資産運用会社のDAオフィス投資法人を買収すると発表。証券会社がREITを傘下に置くのは初めてで、投資商品としてのREIT重視の姿勢から、DAオフィスの投資口価格も上昇基調にある。

   東証REITの月間売買状況によると、08年10月の売買高は約125万口、売買代金で約3792億円だったが、これが09年5月は約48万口、約1740億円だった。

   5月は銀行や生保などの金融機関は売り越したが、個人や外国人の投資家が買いに回った格好で取引が推移。「活況」というにはほど遠いが、東証は「買い注文が増えて、人気が戻ってきているという感触はあります」と話している。

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