09年末に開かれる臨時株主総会が山場
これに対し、兵頭社長は損保ジャパンとの統合は予定通り進める方針を示し、「保険金支払いを先送りした事実はない」と明言。日本損害保険協会会長としての会見では公式の場で松沢前社長を「あの人」と呼び、強い不快感をにじませた。松沢前社長は在任中、「ワンマン」として知られ、現在は母校の青山学院理事長を務めるが、08年は裏口入学に加担したとする怪文書も出回り、一部週刊誌をにぎわせた。もっとも本人は否定している。日本興亜幹部は「社を私物化するつもりか」と反発する。
6月25日の株主総会は兵頭社長が前会長と激しい応酬を繰り広げ、最終的には再任の支持を取り付けたが、反対も3割程度に達した模様。09年末には統合を決議する臨時株主総会が控える。統合決議は3分の2以上の賛成が必要で、賛成が過半数で可決される社長再任よりハードルが高い。松沢前社長も年末の臨時株主総会に照準を当てており、保険金支払いの先送り問題で疑惑が深まると、兵頭社長も窮地に追い込まれ、統合計画自体が白紙に戻る可能性も否定しきれない。