「どのくらいの価格ならばお客さまに満足いただけるのか」
豊田社長は「この車は何台売るのか、どれくらい利益を出すのかではなく、どのような車がその地域で喜んでもらえるのか、どのくらいの価格ならばお客さまに満足いただけるのかということを考え車づくりを行う」と、商品軸、地域軸の経営への転換を強調した。新型プリウスはその第一弾で価格は当初想定より数十万円引き下げ205万円からとした。受注が20万台を突破するなど成功を収めたものの、プリウスの商品価値が突出してトヨタ車ラインアップのバランスを崩してしまったのは確かで、カローラなど他車種も今後コストダウンと値下げに動くと見られる。同業他社からは「最近あまりいい車がなかった。さすがのトヨタも粗製乱造になっていたのではないか」との声も聞こえる。存在価値の薄れた車種の統廃合も進む見通しだ。
「必要十分なラインアップ」に加えて豊田社長は「お客さまニーズを先取りした新コンセプトの車」を投入していく考えも示した。「カーガイ」を自負する新社長のもと、トヨタはどんな車を世に問うていくだろうか。関心が集まるのはやはり商品である。