行政が報酬引き上げをやめさせる権限は無いに等しい
記事によると、モルガン・スタンレー、UBS、バンク・オブ・アメリカなどの大手金融機関でも、同様に基本給の引き上げが検討されているという。
この背景には、同社の従業員が、公的支援を受けていない投資銀行など、競合他社に流出することを経営陣が恐れており、「引き留め工作」の面が強いとみられている。
シティグループをめぐっては、米政府が2度にわたって公的資金を注入しており、現在は米政府が同社株式34%を保有する筆頭株主でもある。報酬の引き上げが世論の反発を招くことは確実だ。
もっとも、行政もまったく手をこまぬいている訳ではなく、ロイター通信が7月1日に報じたところによると、米証券取引委員会(SEC)では、企業が経営陣に対してストックオプションを付与する際の情報公開基準を厳しくする方向で検討が進んでいる。
だが、前出のニューヨーク・タイムズの記事によると、行政が一般従業員の報酬引き上げをやめさせる権限は無いに等しいというのが現状だという。