猫は「毛の色」によって性格が異なるらしいーー。そんな調査結果が出て話題になっている。例えばキジトラ(黒×茶の縞模様)は「慎重で警戒心が強い」、黒猫は「友好的な性格」といったものだ。ペルシャ猫や、アメリカンショートヘアといった血統種ごとに性格の特徴がある、という話しは聞いたことはあるが、「毛の色」で性格は決まるものなのだろうか。
白猫はなかなか人を寄せ付けない「繊細さ」
「毛色と性格 やっぱり関係ありそう」という特集を組んだのは、ベネッセコーポレーションが出す猫の専門誌「ねこのきもち」(09年7月号)。09年3月に1000匹の飼い猫の「毛の色」と性格についてアンケートを行い、その結果をまとめた。回答は「甘えん坊」「活発」「おっとり」「怖がり」など9つの選択肢の中から当てはまるものを飼い主が選んだ。
それによるとキジトラは「慎重で警戒心が強い傾向」があり、専門家の山根明弘さんは、キジトラは猫の先祖と言われるリビアヤマネコに近い毛色であることから、
「リビアヤマネコの野性的な性格を強く受け継いでいるのではないか」
と分析している。
黒猫は「友好的な性格。猫同士でも人にもフレンドリー」。争いを好まないため集団生活に向いている猫なのだそうだ。白猫は「繊細な性格」。白は目立つため天敵に狙われやすいが、それでも生き延びてこられたのは気が強い性格だからだそうで、それが人をなかなか寄せ付けない繊細さにつながっている。そのほか、「茶トラ」(茶系の縞模様)は活発で甘えん坊。とにかく明るい性格なのだそうだ。「三毛猫」は甘えたり、暴れたり、ミステリアスな性格だと書かれている。
ネット上でもこの調査結果が話題になっていて、ブログや掲示板を検索すると、
「クロネコは情が深いって昔からいうよねぇ」
「毛色が遺伝に沿ったものなら性格にも影響を与えることはありえる」
「うちの猫は白いけれど繊細とはいえないかも」
などのような様々な書き込みが出ている。
「同じ家庭で育った人間の兄弟でも、性格が全然違う」
また、回答データがグラフで表示されていて、例えば「キジトラ」では「甘えん坊」と回答した人が34%、「活発」が9%、「おっとり」が10%。「黒猫」は「甘えん坊」と回答した人が35%、「活発」が9%、「おっとり」が7%と似通っているため、
「グラフを見る限り、どの毛色も性格はそれほど変わらないのではないか」
などと分析している人もいる。
専門家は猫の性格をどう見ているのか。
「猫のブリーダー東京猫ハウス」(練馬区)によると、血統種ごとに性格の特徴はあるといわれているものの、住む環境や、飼い主の躾などにより猫の性格が出来上がっていく、という。
「同じ家庭で育った人間の兄弟でも、性格が全然違ったりすることがありますよね。猫もそれと同じで、同じ種類だからといって似たような性格になるとはいえません」
と話している。だとすると、「毛色と性格」の関連性を見つけ出すのは困難、ということになるが…。