経営不振CNET Japan買収 朝日新聞は何を狙っているのか

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   IT系ニュースサイトとして有名な「CNET Japan」の運営が、朝日新聞社に引き継がれることになった。朝日新聞社と言えば、「アサヒ・コム」という巨大サイトを持つことでも知られる。販売・広告ともに紙媒体での収入減が指摘されるなか、全く性格の違うサイトの買収で、何を目指そうとしているのか。

事実上売りに出されていた?

   朝日新聞社は2009年7月1日、米大手テレビ局CBSのウェブ事業部門「CBSインタラクティブ」日本法人が運営しているニュースサイト「CNET Japan」「ZDNet Japan」などの運営を9月1日に引き継ぐ、と発表した。両社は、その狙いについて

「朝日新聞社としてデジタルビジネスの幅を広げたい」(朝日新聞)
「ブランドを今まで以上に強化・浸透させる機会を得た」(CBSインタラクティブ)

とコメント。同日開かれた会見の内容によると、各サイトは9月1日以降も現在と同様の形式で運営が続けられるが、「アサヒ・コム」との連携も模索していきたい考えだ。買収額については明らかにされていない。

   CNETをめぐっては、数ヶ月前から、朝日新聞社による買収の可能性が指摘されてきた。この背景には、同サイトの経営不振があったとみられる。

   ITジャーナリストの佐々木俊尚さんも、

「ニュースサイトは広告を中心とする収益モデルしかなく、不況の影響を受けて収益力が低下しています。特にCNETはITmediaや日経BPに埋もれて、特徴が出せていませんでした。このような状況から、事実上売りに出されていたんです」

と、経営が厳しい状況にあったことを明かす。

   朝日新聞がCNETを救済した形だとも言えそうだが、朝日新聞側のメリットはどこにあるのか。特に、新聞からの転載記事も多い「アサヒ・コム」を抱える同社が、技術系の記事が多く掲載されるCNETを買収した狙いに注目が集まりそうだ。佐々木さんによると、

「アサヒ・コムは、意外にも『旧態依然』というのとは違うんです。社内から、ネットリテラシーの高い人が集められています」

と、システム面では、特に「CNETが朝日新聞より優位」ということはないとの見方だ。アサヒ・コムは「ユーチューブ」で動画配信をしていたり、新製品発表会の場でも、「アサヒ・コム」として独自の取材チームが派遣されるなど、比較的新しい取り組みも見られる。

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