モバイルサイトなのに、コストをかけすぎた?
このように、R25の当事者は「モバイル広告へのニーズが少なかったこと」をサービス終了の理由としているが、「コストをかけすぎたのが敗因」と指摘する業界関係者もいる。ある大手サイトの幹部は、
「R25式モバイルは、立ち上げ時の交通広告の巨大プロモーションやニュースコンテンツの買い揃えなど、目の前の事業性に比べて、多額の費用をかけすぎたのではないか。ネット事業は小さく生んで大きく育てるものだが、そのセオリーと違っていた」
と指摘する。同様に、モバイルビジネスに詳しいITコンサルタントは次のように述べる。
「お金をかけすぎているのが明らかだったので、サービス終了と聞いても意外ではなかった。モバイルの場合は、まずスモールスタートで始めて、ユーザーの動きに合わせながらサイトを充実させていくほうがいい」
ネットでは、R25式モバイルの終了を受けて、「無料勝手サイト終わりの始まり?」(はてなブックマークコメント)といった「広告モデルの携帯サイト」そのものに対する懐疑的な声も出ている。しかし、このITコンサルタントは
「R25の後にスタートしたミクシィやグリーのモバイル版が広告モデルで成功しているのだから、モバイルへの広告ニーズがないというのは言い訳にしか聞こえない。むしろリクルートのやり方が、モバイルビジネスに向いていなかったと見るべきだ」
と反論する。前述の大手サイト幹部も、モバイルでの「広告モデル限界論」には否定的だ。
「大手広告主のモバイルへのシフトは、むしろこれからが本番。ただ今のところは、デジタルコンテンツ販売などの広告主が多いので、損益分岐点をかなり低く抑えていかないと、事業として継続するのは難しいということだろう」