「犯罪として処罰するべきか判断のしようがない」
一方で、鳩山代表への個人献金は、国会議員の中では突出して多いというのだ。
毎日新聞の2009年7月1日付記事によると、98~07年の10年間で計5億9000万円もの個人献金があった。毎日では、鳩山代表が記載の動機として個人献金の少なさを挙げたことに対し、「説明に矛盾が生じている」と指摘している。
さらに、毎日によると、5万円以下で政治資金収支報告書に合計のみを記載する匿名献金が6割をも占めている。鳩山代表の調査は、05~08年の4年間の匿名でない個人献金に限るため、今後の調査次第では、虚偽記載の人数や額はさらに拡大する可能性がある。今後も説明責任が求められそうだ。
鳩山代表の弁護士は、秘書を政治資金規正法違反の罪で告発することも検討中と明かした。ところが、この個人献金問題、法で処罰できないかもしれないというのだ。
政治資金に詳しい名城大の郷原信郎教授は、「虚偽記載の違反行為であることは間違いない」としながらも、こう話す。
「企業献金の抜け道として、個人献金に偽装した、というなら分かりやすい政治資金規正法違反です。しかし、今回のは、鳩山さん本人から金を借り入れたとすれば、その動機や目的がよく分かりません。形式的な違反では、捜査に入るといっても、犯罪として処罰するべきか判断のしようがないでしょう」
匿名献金については、名前、住所などを記載しないため、違反には問えないという。