現在自分が働いている会社が「ブラック企業」なのかどうなのか、判定するサイト「ブラック企業.com」が話題になっている。アクセスも好調で、一部上場企業の社員も利用しているのだという。
「労働局などに相談してください」
ブラック企業とは、「激務薄給」「ワンマン経営」「パワハラ・セクハラ」などが横行し、社員に対して過酷な環境下での労働を強いる企業のこと。2ちゃんねるでは「ブラック企業偏差値ランキング」が作られ、数多くの企業がランクインしている。
「ブラック企業.com」は、自分の働いている会社の「ブラック企業度」を測定するという触れ込みのサイトだ。2009年6月23日にオープンした。「念書や承諾書をやたら書かされる」「給料の全部又は一部が現物支給にされた」「社内で違法行為が行われている」など25個の項目に「はい」か「いいえ」で回答すると、パーセンテージで「ブラック企業度」が出る仕組み。また、「現在就活中である」を選択すると、「入社の決定を焦らせる」「会社紹介で『夢』、『熱意』、『やる気』などの語が多用されている」などに変更されるようになっている。
都内IT企業勤務の20代男性が、実際にやってみたところ、自社のブラック企業度は40%。
「もうブラック企業になるのは確実でしょう。会社の言うことや上司のいうことを真に受けないようにしてください。あなたがセクハラ、パワハラを受けている場合は記録を取って労働局などに相談してください」
という説明書きも出た。
「仕事柄拘束時間が長く、『終業時間』が事実上存在しないなど、ちょっと特殊だなとは感じていたのですが、まさかブラック企業だったとは」
と驚いていた。
ベンチャー企業ではよくあること?
一方で、08年まで都内ベンチャー・コンサル企業に勤務し、「営業成績が1位だったこともある」と語る男性(20代)は
「項目にある『現実的に達成不能なノルマを押しつけられる』『新人を研修させず、OJTとしてすぐに現場に投入する』といったことはベンチャー企業だったらよくあること」
と指摘。
「好景気なのにブラックだと確かに問題ですが、この不景気です。本来は『中小企業』でしかないベンチャー企業がブラックになってしまうのは仕方ありません」
と話している。
また、サイトには回答する際に社名を入れる欄があるのだが、その一部が結果と一緒にtwitter上に公開されている。「株式会社●●のブラック企業度は56%」といった具合だ。サイトにアクセスして「ブラック企業度」の診断をしたのが本当にその企業の社員かは分からないが、ここで目立つのがシステム開発系だ。広告やメーカーの他、役所などの名前も見られる。
サイトの管理人、syachikuさんのブログによると、「ブラック企業.com」と、6月中旬に公開された「社畜度」を計る姉妹サイト「社畜.com」をあわせた累計アクセス数が25日に20万人を突破したという。
また、twitterでは、
「開発、広告系の企業からのアクセスが0時過ぎても多い」
「一部上場企業の人が大量にブラック企業度判定」
などと報告している。