宮沢りえのヘアヌード写真集 17歳で撮影なら児童ポルノ?

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   児童ポルノの単純所持が禁止されたら、17歳で撮影ともされる宮沢りえさんのヘアヌード写真集も廃棄すべきなのか。こんな話が議論され、話題になっている。子どもの被害をなくそうと法案の審議は進んでいるものの、基準が分かりにくいとの不満があるようだ。

与党側「分からないなら、やはり廃棄すべき」

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   ヘアヌードが社会現象にもなった女優、宮沢りえさん(36)の「Santa Fe」。1991年に発売され、芸能人の写真集としては、最も多い150万部の大ベストセラーになった。

   それが20年近くたって、再び話題になっている。衆議院法務委員会で2009年6月26日に行われた児童ポルノ禁止法改正案の審議。民主党の枝野幸男議員が、この写真集を児童ポルノとして扱うことになるのか、と取り上げたからだ。

   「10年前、20年前、30年前とかに製造・販売されて手元にあるものを、そんなものをみんな調べるんですか?」と問いただした枝野議員に、法案提出者である自民党の葉梨康弘議員は、こう答弁した。

「児童ポルノかも分からないなという意識のあるものについては、やはり廃棄をしていただくのが当たり前だと思います」

   ただ、葉梨議員は、廃棄までに1年の猶予があり、有名なものなら政府が調べるとも述べた。

   児童ポルノ禁止法の改正を巡っては、与党側が個人の趣味で児童ポルノを持つ単純所持を禁じる案を提示。これに対し、民主党が、購入したり何度も入手したりする行為を禁じる取得罪の対案を出して、平行線の議論が続いている。

   ともに、子どもの被害をなくそうという目的は変わらない。しかし、民主党は、過去に合法だったものまで問うのはどうか、その基準が分かりにくく、えん罪を生みかねない、などと与党案に反対している。

   可決の可能性がある与党案について、りえさん側はどう考えるのか。

   所属事務所のエムツー企画では、担当マネージャーが外出中としながらも、「うちの方では答えようがありません」とだけ話した。ただ、内容が内容だけに、戸惑っている様子だった。

「児童ポルノに当たるのか、疑問」と朝日出版社

   宮沢りえさんの写真集「Santa Fe」を出版したのが朝日出版社。その制作部では、法案の動向を注視するとしながらも、「児童ポルノに当たるのか、疑問がある」と話す。

   そして、今後の扱いについては、こう説明する。

「写真集は、もう絶版になっています。写真やネガは、所有物ではないので、こちらには一切残っていません。ただ、記録用に社内で何冊か保存してあります。もし法案が通ったら、対応を考えないといけないとは思っています」

   本や雑誌では、過去に載った写真に18歳未満の裸などがある可能性がある。「週刊プレイボーイ」など若者向け雑誌も出している集英社では、「法案ですので当然、対応しないといけないですが、今のところお答えできることはありません」(広報室)としている。

   与党案については、賛否両論に分かれている。

   日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンさんは、2009年6月26日の衆議院法務委員会に参考人として出席し、支持する立場から意見を述べた。児童ポルノは、ネット上でコピーされて長く残ってしまうとして、「犯罪や虐待の現場を永遠に残し、被害者の心をずたずたにする凶器」と訴えた。

   一方、日本雑誌協会は、J-CASTニュースの取材に対し、与党案については反対する考えを示した。事務局では、「単純所持を罰すれば、いくらでも拡大解釈して取り締まりが行われてしまいます」として、国会審議をみながら協会の見解を出すことを明らかにした。

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