米人気歌手のマイケル・ジャクソンさんの急死をめぐり、米メディアの関心はその巨額の遺産に集まっている。ただ、裁判費用などで多額の負債を負っているともされる。株式などの財産と借金を足し引きすると、結局のところ、残されるのは借金なのだろうか。それとも、遺産なのだろうか。
児童虐待疑惑をめぐる裁判費用がかさむ
急死から3日経ち、米メディアの関心は「ジャクソンさんが残したもの」に移りつつある。ジャクソンさんをめぐっては、児童虐待疑惑をめぐる裁判費用がかさんだことなどから、多額の負債を抱えていることで知られている。例えばウォール・ストリート・ジャーナルでは、「負債総額は5億ドル(約497億円)」とされている。負債の原因としては、裁判費用以外にも、高級絵画の購入、プライベートジェットの使用などがあるとされている。特に、ジャクソン氏がロサンゼルス郊外に建設した「ネバーランド」は、建設費用以外にも、維持費が年に数百万ドルかかるとみられている。
さらに、これに追い打ちをかけそうなのが、09年夏にロンドンで予定されていた公演がキャンセルになったことだ。ニューヨーク・タイムズ紙が09年6月27日に報じたところによると、公演を企画していたAEGライブ社は、すでに2000万ドルを投資。さらに、チケットの払い戻し額は、8000万ドルに達する見通しだ。このコンサートには保険がかけられているが、保険金が支払われるかどうかは、司法解剖後の薬物検査の結果次第だという。
一方、ジャクソンさんが残した遺産の額も膨大だとみられる。ジャクソンさんはこれまでに7億5000万枚以上のレコード・CDを売り上げており、前出のニューヨーク・タイムズによると、1980年代から通算すると7億ドルを手にしたとされる。ただし、そのほとんどは残っていないとみられる。