住友信託、規模拡大に意欲 日興アセット買収で最終調整

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   住友信託銀行グループの拡大路線が注目されている。米シティグループ傘下の日興アセットマネジメントを買収する見通しだが、三菱UFJ信託銀行との合併が決裂した日興シティ信託銀行についても買収意欲をみせているとの観測がある。「メガ信託」を標榜する同社だが、新生銀行とあおぞら銀行が合併調整を進めるなど大手銀行が規模拡大を図るなかで、「規模で遅れをとりたくない」との危機感が募っている。

投信運用10兆円で大手に食い込む

   日興アセットの売却先が、1000億円超の買収金額で住友信託グループに決まる見通しだ。日興アセットの売却をめぐっては、住友信託のほか、保険グループのT&Dホールディングスや野村ホールディングス、米大手信託のバンク・オブ・ニューヨーク・メロンなどが有力候補とされたが、米シティグループは最高額を付けた同社を最終候補に絞り込んだようだ。

   日興アセットの運用資産残高は約8兆8000億円で、60人のファンドマネジャーを抱える国内第3位(09年3月末現在)。一方、住友信託グループの投信運用会社、住信アセットマネジメントの運用資産は約1兆2000億円。日興アセットが加われば、運用資産は10兆円規模に膨らみ、野村セットマネジメントや大和証券投資信託委託ら大手の一角に食い込む。運用ノウハウや存在感を高めることができ、管理コストなどを削減できる。

   また、年金運用などを含む住友信託グループ全体の運用資産残高は約35兆円となり、国内最大規模になる。資産運用業務を強化して、本業の信託業務との相乗効果が狙える。

   日興アセットの買収について住友信託は2009年6月29日、J-CASTニュースに対して、「個別案件なのでコメントは差し控えさせていただきたい」と話した。

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