現役自衛官へのアンケートで、7割もが「生まれ変わったら自衛官にならない」と答えていることが分かった。何が自衛官のやる気を失わせているのか。
社会的評価低く、やりがいないが理由?
月刊誌「MAMOR」のサイト
自衛官は、もう懲り懲り!?――。防衛省の広報誌が、広報誌らしからぬアンケート結果を載せたことが話題だ。
この雑誌は、同省が編集協力する月刊の「MAMOR(マモル)」。その最新の2009年8月号によると、4月に行った現役自衛官125人へのアンケートで、「生まれ変わっても自衛官になりますか?」と聞いたところ、72%が「ならない」と答えたというのだ。「なる」は、わずか28%だった。
その理由は、アンケートでは必ずしも分からない。が、自衛官の悩みを聞いたところ、「自衛隊の社会的評価」がトップで、次に「仕事のやりがいや充実感」となり、「自衛官にならない」理由の一端がうかがえる。
そして、ほかになりたい職業として、医師や教師、警察官の順に多くなっている。自衛官同様な安定志向もうかがえるが、これらの職は、自衛官に比べ評価が高く、やりがいがあるということなのだろうか。
もし、自衛官になって何らかの原因でやる気を失っているとすれば、日本の防衛にとっては一大事となる。本当なのか。
著名な軍事評論家の江畑謙介さんは、アンケート結果は、当たっている部分も多いとみる。
「実際に自衛官になってみて、災害派遣に期待され、国を守ることへの期待が少ないのを感じています。自衛隊の不祥事が次々に出ていることも、がっかりさせる原因です。マスコミ報道でも、高い評価が与えられていません。また、海賊への対処や海上の警備で、自衛隊は実際に射撃ができないような状態に置かれています。給与面は、国際的にみても低くないので、不満があるとは思えませんが、仕事をしてうれしいと感じられなければ、やりがいが湧かないでしょうね」