小中学生のケータイ所持禁止 石川県条例案に異論

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「臭い物にはふたではなく、危険性を学校で教えていくべき」

   そんな中、携帯電話やインターネット関連の問題について研究している、ネット安全モラル学会は2009年6月21日、石川県議会に対して、条例の否決を求める陳述書を提出した。陳述書では、携帯電話が生活の一部として溶け込んでいることを踏まえ、情報通信に関する知識や経験は児童期から付与することが適切である、とする。

   会長をつとめる早稲田大学教育・総合科学学術院の田中博之教授は、こう話す。

「もし仮に、子どもから全く携帯電話を取り上げるようになっても、抜け道がいくらでもあると思うのです。そうして結局、監視が行き届かなくなってしまうのが心配です。それだけでなく、小中学校で禁止となっていて、高校生になってはじめて所持したとしましょう。その頃になって、安全に利用できるのでしょうか。知識がないためにかえって、いい加減な利用に拍車をかけるのではないかと思うのです」

   そのためには、臭い物にはふたをするのではなく、実際に利用しながらも、携帯電話の危険性をもっと、学校教育で教えていくべきではないかというのだ。

   一方、デジタル・メディアが教育上与える好ましくない影響についての調査を行っている、NPO法人青少年メディア研究会の理事長・下田博次さんは、今回の石川県の条例案について「条例で(携帯電話所持禁止に)踏み込むという姿勢を示したことがよかった。実効性は別だが、地方自治体が(小中学生の携帯電話利用への)危機感を持っている証明だと思う」と指摘する。

「携帯電話を持っているからネットいじめ、出会い系サイトの問題が成立しているのが現状です。これらは当然、携帯電話を持っていなければ、成立しない問題。こうした事件が携帯電話の普及とあいまって増していることを考えれば、私は、携帯電話がどんなに優れた機器であろうとも、大人が管理、指導できないものを子どもには渡さない方がいいのではと考えます」
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