国際競争力高める狙いで政府に資金援助を求める
関空は政府から毎年度90億円の補給金を受けているが、村山社長は政府に約9000億円の資金援助を求めてきた。約1兆1000億円の有利子負債のうち、国が9000億円を穴埋めすることで関空が身軽になり、着陸料を引き下げることで国際競争力を高めるのが狙いだった。しかし、国の財政出動は実現せず、「高コスト構造是正による国際ハブ空港の実現」は、新社長の福島氏に引き継がれることになる。
そこで、ものを言うのが国土交通省とのパイプだ。元事務次官の会長就任は、「パナソニック出身の村山社長では国交省に顔が効かず、国と疎遠になりすぎた」(関係者)との反省からだ。新社長の福島氏は関西財界との調整に当たり、国交省、財務省など政府への根回しは新会長の岩村氏が黒子として行う戦略のようだ。