「まずはやってみようということで始めた」
定食屋「大戸屋ごはん処」と「大戸屋キッチン」を展開する大戸屋は、宅配サービスを08年秋に始めた。ただし、実施しているのは09年6月現在で2店舗だ。
経営企画部の担当者は、「少子高齢化で宅配のニーズがあるので、まずはやってみようということで始めたが、実験段階だ」と説明する。
不況下で消費者は外食を控えている。日本フードサービス協会によると、ファーストフード店を除く外食産業の売上高は09年1月以降、4か月連続で前年を下回っている。
壱番屋は既存店売上げ高が09年3月は対前年比5.4%減、4月同比7.6%減、5月同比6.5%減。大戸屋も既存店売上げ高が09年4月は対前年比1.1%減、5月が同比2.7%減だった。
相次いで外食産業が宅配事業に乗り出しているのは、本業のレストランが苦戦しているからとも言えそうだ。
大戸屋経営企画部の担当者は、こう話している。
「5年以内に全店で宅配をできたらという考えはあるが、事業を拡大するとなれば、バイクやオペレーションシステムにかかる費用を捻出しなければなりません。また、メニューについても、レストランと同じ価格設定で採算が取れるのかという点も詰めていかなければなりません」
課題は山積みだ。