プロテスタントは静観の構え
その他の宗教・宗派は、どのような対応なのだろうか。
同じキリスト教でも、プロテスタントの日本基督教団では、
「公式には何も決めていませんし、特に決める予定もありません。各自の判断に任せています」
と、静観の構えだ。
一方、仏教に目を向けてみると、死刑制度に反対の立場を取っている真宗大谷派では、6月9日、制度の見直しを求める決議を採択。決議では、
「もし私たち真宗門徒が、死刑事件に裁判員として関わったとき、自らは死刑の判断をしなくとも、死刑判決に関わってしまったという心の傷は、一生自らを苦しめることになります」
などと訴えている。
また、国内にイスラム教信者をとりまとめるような組織は存在しないが、イスラム文化などについての理解を深める活動をしている「イスラーム文化センター」が開設している「イスラーム相談室」に聞いてみたところ、
「教え(の内容)や文化についての窓口なので、裁判員制度への対応については分からない」
との回答だった。
こう見ていく限りでは、一般の信者に対して何らかの具体的な指示をしている宗教・宗派は未確認で、各信者は、それぞれに判断を迫られているのが実情だ。