志村けんさんの「付き人兼運転手」の求人募集が「ヤフー!リクナビ」に掲載され、驚きが広がっている。お笑い芸人の付き人といえば、師と仰ぐ芸人を直接訪ねて頼み込むか、あるいは、知人からの紹介というのが一般的。しかも、付き人の場合、お手当て(給料)は出ない場合が多いのに、月額13万円以上が支給されるという。志村さんは何を考えているのか。
もともとは運転手だけの募集だった
求人募集が出されたのは2009年6月15日。そこにはこう書かれている。
「志村けんが好きで、運転が好きで、芸能が好きで、情熱があれば『だいじょうぶだぁ~!』」
志村さんと同じ舞台でコントをやりたい、と思っているような人を求めていて、本気で芸人を目指している場合は、「下積みの後もしっかり応援をしていきます」。長い間運転手をしていた人の退職が決まり、その後釜をネットで広く募集するというものだった。月給は13万円以上となっている。
志村さんの所属事務所エスカンパニーによれば、芸人の付き人になる人は、「師匠の門を直接叩く」か、知り合いからの紹介、というのが一般的だという。それがなぜ今回のような公募になったかといえば、もともとは運転手の募集だったからだそうだ。しかし、単に運転が上手でもこの仕事は勤まらないし、ミーハーな気持ちでは長続きしないと判断。志村さんに弟子入りし、プロの芸人を目指そうと本気になっている人に来てもらおうと思ったのだという。
志村さんも付き人からお笑い界のトップに登った
応募者の中には「給料が出るなんて夢にも思いませんでした」と驚いている人もいるという。付き人の場合は住む場所と食事は用意されるが、いわゆる修行期間のため、給料を出さない「師匠」もいるからだ。志村さんの場合、始めは運転手の募集だったため、それなりの給料額を設定していた。しかし、付き人と兼務に変わったため、労働基準法の最低賃金に照らし合わせ13万円にした、というのが実情のようだ。
「志村と直に働けるので、志村のコントや、お笑いの間、呼吸が勉強でき、本人のやる気と努力次第で芸人になる可能性が開けます。また、芸人にこだわらず、芸能界の裏方として活躍する道も発見できるはずです」
と事務所は説明する。実は志村さんも、元々はお笑いグループ「ザ・ドリフターズ」の付き人だった。それだけに志村さんは付き人とは何たるかを熟知している。
「人一倍の情熱があれば、それを志村は感じ取り、育てる。間違いありません」