「自分らしい生き方」が幅広い層のファンの心をつかんでいる歌手の安室奈美恵さん(31)が今度はマクドナルドの新CMに出演する。「2人の安室」が頭と頭を激しくぶつけ合うという内容で、「自分との戦い」として力強く描かれている。歌唱力に加えて、ダンスの評価も高い安室さんらしいパフォーマンスだ。
10代・20代・30代でミリオンセラーを達成
「2人の安室さん」の戦いは大迫力(マックの新CMより)
安室さんといえば、1990年代には「Don't wanna cry」「You're my sunshine」「a walk in the park」といったミリオンセラーを連発した。ファッションも注目を集め、アムラーと呼ばれた茶髪・ミニスカート・厚底ブーツのスタイルは、当時の女子高生の間では大流行となった。1997年には結婚・出産を機に音楽活動を休止。その1年後の紅白歌合戦で復帰を果たした。
2001年以降はR&BやHIP HOP色を強めた楽曲をリリースし、2008年3月リリースの楽曲「60s 70s 80s」では、9年3か月ぶりにオリコンチャートの首位を獲得した。ベストアルバム「BEST FICTION」(2008年7月発売)は100万枚以上を売り上げ、10代・20代・30代のすべてでミリオンセラーの快挙を達成している。
人気の秘密は、楽曲の完成度の高さもさることながら、パワフルな歌い方、磨きのかかった激しいダンスパフォーマンスだ。しかも、安室さんはR&BやHIP HOP色を強めた頃から、ライブハウスでも積極的にイベントに参加しており、かつてのファンだけでなく、若いファンをもつかんだのだ。くわえて、彼女の生き様に共感するファンも多い。休業明けには離婚などを経験、そんな苦労を乗り越え活躍していく姿を尊敬する人が多いようだ。
見所は「2人の安室奈美恵が対峙するシーン」
そんな安室さんが2009年6月19日から放送されるマクドナルドの人気メニュー「クォーターパウンダー」の新CM「バラ色でいくぜ宣言『VS』編」に出演する。「クォーターパウンダー」は、4分の1パウンド(通常のビーフパティのおよそ2.5倍)のビーフパティをはさんだ商品。ビーフそのもののジューシーさが人気の、アメリカンテイストのハンバーガーだ。
舞台は誰もいないライブ会場の静まりかえったステージ。ここで、「2人」の安室さんが対峙する。一方は、黒のタンクトップにコルセット、腰にはブロックチェックのシャツを巻き付けている。もう一方は白のタンクトップを着こなしている。お互いをにらみ合った2人の安室さんは次の瞬間、頭と頭を激しくぶつけ合って……。
CMでは「2人」の安室さんと、人気格闘ゲーム「バーチャファイター」制作チームが手がけたCGを組み合わせたクールな映像となった。映像制作を指揮したCMクリエイターの佐藤秀一さんが「頭突きは自己破壊と進化の象徴」というように、力強さを全面的に押し出した。ちなみに、CMではセリフは一切なく、表情と動きだけで表現したという。
彼女の生き様のようにも思えるこのCM。安室さんは「2人の安室奈美恵が対峙するシーンと、CGバトルのシーン(が見所です)。とってもクールで、今までにない、かっこいい映像に仕上がっています」と自信をのぞかせている。