三井生命、朝日生命はどうなる
ただ、景気低迷、金融不安が長期化し、運用環境が改善しないと、増資やリストラなどの対応も限界に達する。世界的な超低金利政策もしばらく続きそうで、生保経営の重荷となる逆ざや(契約者に約束した利回りが運用利回りを上回ることで生じる損失)がさらに膨らみかねないのも不安材料だ。
三井生命は住友生命とインターネット販売の商品を開発する共同出資会社の設立を決めた。三井生命は住友生命から資金支援のほか副社長も派遣してもらっており、関係が一段と深まる。相手の住友生命は「合併は全く考えていない」(役員)と否定するが、「将来的な統合の布石」との見方は根強い。
朝日生命も経営危機に陥った2000年代前半、東京海上ホールディングスとの統合を目指しながら、最終的に挫折した経緯がある。09年3月に発表した経営再建のための中期経営計画では、米保険大手メットライフと提携して保険料の安い商品を電話で直接販売する事業への参入を表明した。朝日生命は「あくまで単独再建」と強調するが、さまざまな再編観測が飛び交っている。