多様な能力持った人材集める これが国公立と違う魅力 
(連載「大学崩壊」第10回/立命館大学に聞く(上))

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   少子化の影響で定員割れに追い込まれる大学が続出する中、この30年ほど「膨張を続けている」と指摘されているのが立命館大学(京都市)だ。実際、この15年ほどを見ても、滋賀県や大分県に新キャンパスを設置し、付属校も増えるなど「拡大傾向」がうかがえる。2009年3月には、岐阜市立岐阜商業高校の付属校化を断念したことも話題になった。学校法人立命館総合企画室長の建山和由さんと総合企画部長の今村正治さんに、その背景と、今後の展望について聞いた。

84年から「長期計画方式」で学園運営進める

ロースクールなどが設置されている立命館大学朱雀キャンパス(京都市)
ロースクールなどが設置されている立命館大学朱雀キャンパス(京都市)

――立命館は、1970年頃までは「停滞」が指摘されていた一方、それ以降は、キャンパス拡張、入試制度改革など、様々な面で動きが活発化したように思います。

今村:転機は1979年です。今から30年も前のことですが、このときに学費の改定方針を変えました。これよりも前は、「清く、貧しく、美しく」といえば聞こえはいいですが、学費を安く抑えていて、「学費が安いから、地方から来た」という学生も多かったのです。「本当に赤字で困った!!」という状態に追い込まれて初めて、学費の値上げをするという状態でした。これを「長期計画と合わせて4か年の学費をあらかじめ決める」という方式にしました。つまり、「前もって上げ幅を決めておきます。ただ、4年後にその結果を検証して、さらに、その後の4年間の計画を作りましょう」ということです。説明責任も果たしやすくなりました。このあたりから、「学園自身が改革をしないといけない」という機運が高まってきたように思います。

――長期的な視点で計画立案ができるようになった、ということですね。

今村:84年から、8年をひと区切りにした「長期計画方式」で、学園の運営を進めるようにしました。例えば「第3次長期計画」を進めていた88年には国際関係学部を作ったり、男子校だった高校・中学校を男女共学化して、移転したりしました。

   

「第4次」では、もっと規模が大きくなって、94年に「びわこ・くさつキャンパス」(BKC、滋賀県草津市)を理工学部の「拡充移転」という形で開設しました。「第5次」では、創立100周年記念ということで、大分県別府市に立命館アジア太平洋大学(APU)を創立しました。計画がスムーズに進んでいるので、ひとつの長期計画が4~5年程度で、前倒しで完了したのです。
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