「爆笑問題」の太田光さんを「殺す」とインターネットの掲示板に書き込み逮捕された、「パンツ」を名乗る人物が、今度はタレントの杏野はるなさんに対し「殺すぞ!」などと書き込んだ。現在も「パンツ」は掲示板に現れては無差別に「殺す」を連発。そして、「殺す」と書く理由や、自分はどんな人間なのか、逮捕された時の取り調べの様子などを掲示板の中で明かしている。
「2chが匿名だと思うなよ お前の家族も殺す」
杏野さんの殺害を「パンツ」を名乗る人物が書いたのは09年6月6日。杏野さん自身が「2ちゃんねる」内に、「2ちゃんねる」の記者に就任したという報告のスレを立てた際にその人物が現れ、
「殺すぞ!」「一刻も早く死ね」「おーい みんな 捕まえて犯せ」
などと書き込んだ。この書き込みを非難した人に対しては、
「お前の住所調べて殺すからな 2chが匿名だと思うなよ お前の家族も殺す」
とぶちまけた。
この「パンツ」を名乗る人物は08年7月、お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さんを「殺します。確実に殺します。包丁で刺します。ご期待ください」などと書き込み、脅迫の疑いで逮捕されている。太田さんを狙ったのは、太田さんがテレビの番組で、「殺す」という言葉を自由に書き込む場所があってはいけない、とし、
「ああいう掲示板はひねりつぶしたいと思うワケ」
という発言に腹が立った、ということだった。ただし、殺害予告はユーモアのつもりだった、と供述したのだという。
太田光は「殺害予告」に恐怖していた?
杏野さんへの殺害予告は「再犯」になるわけで、「2ちゃん」では「通報しろ!」「お前、これで逮捕されたら2回目だと言う事を忘れるなよ。初犯の時とは印象違うぞ」などの非難が相次いだ。その後も別のスレに現れては、自分を非難する「2ちゃねらー」に対し「殺す!」といった書き込みを繰り返した。「2ちゃん」では、なぜ「パンツ」は殺害予告をするのかや、どんな人物なのか、逮捕された際にどんな取り調べを受けたのか、といった疑問が出た。「パンツ」はそれらに自発的に答えている。
なぜ殺害予告をするかについて、
「罪だと思ってないもん 掲示板に有名人を殺すと書くのは悪い事ですか?」
「『殺すぞ』『ハイ逮捕』これになんの意味があると言うのか 馬鹿らしい」
「2chに書くと言うことは少なくとも『第三者に見せる』という事が重視されているわけで そこで警察が出てくると言うのがユーモラスなんだよな」
などと書いている。
逮捕され前回取り調べを受けた様子も明かしている。「パンツ」が「太田は本当に怖かったんですかね?」 と訊くと「怖かったんだよ!太田は怖かったんだよ!」 と言ったそうだ。有名人を脅迫する場合は直接事務所に対して行うのが普通だと「パンツ」は思っていて、警察の解釈には首をひねった、と書いている。警察の聴取にはハイハイと答えた。供述書はハイスピードで作成され、同房の囚人に「早かったね」と感心されたのだそうだ。だたし、それは警察に協力しただけで、尻尾を振って詫びたわけではない、とし、
「俺が国家権力ごときに屈する男だと思うか?」
と挑戦的な言葉を投げつけている。
「告訴だ何だと大事になってしまえば、タレント活動に影響が出てしまうかも」
杏野さんに対する殺害予告について、警察からの問い合わせが所属事務所の東京図鑑エンタテインメントに入っているが、今のところ告訴などは考えていないという。杏野さん自身も、様々なことを書かれたり言われたりするのはタレントの仕事の一つと割り切っているからだそうだ。所属事務所は悩んでいて、ネットの殺害予告は書きっぱなしで行動はないだろう、と思っているのだが、
「掲示板などは皆さんが楽しんでいる場所でもあり、そこに告訴だ何だと大事になってしまえば、杏野のタレント活動に影響が出てしまうかもしれません。でも、書きっぱなしだからといって、それを許していたら、色んな事を書く人が出てくるかもしれません。とても難しいです」
と話している。